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150 高知論叢 第100号に直面している訪問介護事業所も多い。当該市町村だけでなく,国と県の双方においても,中山間地等の条件不利地域の実態に応じた事業所補助制度の創設が検討されるべきであろう。介護保険事業....

150 高知論叢 第100号に直面している訪問介護事業所も多い。当該市町村だけでなく,国と県の双方においても,中山間地等の条件不利地域の実態に応じた事業所補助制度の創設が検討されるべきであろう。介護保険事業の下で,社会福祉協議会は,地域福祉活動への支援が縮小してきており,大豊町の場合,地域福祉担当職員もおらず,地域福祉に力を割きにくくなっている。上述の通り,介護保険事業に余裕を持たせるような政策支援を図り,地域福祉にも力が注げる条件づくりが求められると同時に,社協や町としても,地域福祉を担うべき社会福祉協議会のあり方や役割を再検討する必要があるだろう。ただ,地域福祉活動を直接担うのは住民であり,それをサポート,コーディネートするのが社協の役割であるから,地域福祉活動計画等にも積極的に取り組み,各地区ごとに,若い世代を含め,住民が大豊の地域づくりの方向を話し合い,そして実行してゆくための機会を設ける必要があるだろう。2010年度から,民間計画としての地域福祉活動計画も,行政計画としての地域福祉計画も全県的に推進されようとしているので,この際,両計画を一体的に策定する方向で,社協と行政がスクラムを組むことが期待される。大豊町では移動支援をはじめとして,高齢・過疎化,少子化に伴う様々な生活問題が表面化している。大豊町で住み続け,住んで良かったと言える地域にしてゆくためには,すべての住民が,移動支援をはじめとする地域の課題と向き合いつつ,どうすれば良いかを皆で考え,自己決定してゆく姿勢が求められる。若い世代の参加も図りながら,地域の良さと課題の両面を見つめ直し,地域の固有価値を生かすとともに,生活課題に対しては,自助,共助,公助のどのような組合せによって解決してゆくかを住民自身で話し合ってみることが基本的に重要になる。それをふまえて,行政や社会福祉協議会,NPO,その他の専門機関がどのような支援が可能かを検討し,連携してゆく姿勢が求められるだろう。そのような住民主体の地域づくりを進めてゆくうえで,西峰地区は一つのモデルを示していると言えるだろう。人口300人弱,高齢化率70%という少子高齢化が相当進んだ地域でありながら,住民が自分たちでお金を拠出しあって,