100号

100号 page 157/242

電子ブックを開く

このページは 100号 の電子ブックに掲載されている157ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると今すぐ対象ページへ移動します。

概要:
公共性研究の方法と公共性三元論(下) 155zone: EEZ)と大陸棚に対する主権国家(沿岸国)の権利が拡充されてきたからである。排他的経済水域とは,領海をこえてこれに接続する水域で,沿岸(基線)から200カイリ(....

公共性研究の方法と公共性三元論(下) 155zone: EEZ)と大陸棚に対する主権国家(沿岸国)の権利が拡充されてきたからである。排他的経済水域とは,領海をこえてこれに接続する水域で,沿岸(基線)から200カイリ(約370㎞)までの範囲のものである。沿岸国は,この水域において天然資源の探査・開発・保存・管理のための主権的権利と経済目的で行われる探査・開発その他の活動の主権的権利,海洋構築物の設置・利用,海洋環境の保全・保護に関する管轄権,そして漁獲可能量を決定することができるのである(1982年: 国連海洋法条約)。大陸棚とは大陸の縁辺部にあって海岸から水深200mまでの海底であるが,この海底下またはそれをこえる場合には天然資源の開発が可能な範囲に,沿岸国の探査と資源開発の主権的権利を認めたのである(1958年: 大陸棚条約)。 2010年6月末現在時点で,この地球上に存在している独立した国民国家(主権国家)の数は,194もの多数に及ぶという。日本が国家として認定している192の国に,認定していない朝鮮民主主義人民共和国と日本を加えた数である。22) このように,地球環境とそれが与える地球資源が国民国家によって排他的に分割・支配されていることを単純に表したものが,図表7の国民共同利用様式である(下の図表7参照のこと)。利用対象物利用対象物[U]ap [U]ap投出(A国) (B国)投出国境投入投入利用対象物利用対象物[U]bp [U]bp投出投出投入投入図表7 国民共同利用様式(単純非対等ケース)注)[U]ap はA国の国民公共財であるが,国際的にはA国の国民国家私的財となる。[U]bp はB国の国民公共財であるが,国際的にはB国の国民国家私的財となる。A国とB国の大きさの違いは多様な差異と格差を表す。      はA国の国民領域とB国の国民領域を遮断する国境である。出所)筆者作成国民A国民B