100号

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214 高知論叢 第100号ることにいち早く気づけたことがある。金融詐欺について講義したところ,わたしの学科で,友人から化粧品マルチに誘われているとの意見カードがあり,調べたところ,わたしの学科や他の学科に....

214 高知論叢 第100号ることにいち早く気づけたことがある。金融詐欺について講義したところ,わたしの学科で,友人から化粧品マルチに誘われているとの意見カードがあり,調べたところ,わたしの学科や他の学科にもかなり広がっていたのである。また他の学部学生からも,友人にマルチ商法に誘われ大阪から専門業者が来るので話を聞かないかとの誘いがあったが,どうしたらいいかとの相談もあった。大学がマルチ商法のターゲットになっていることを知った。悪徳商法に脅され困っている学生も研究室にやってきた。わたしで対応できないことは,消費生活センターを紹介した。それからは,講義の際に,消費生活センターの相談窓口の電話番号を板書して,その場で携帯に登録してもらうことにしている。何か困ったことがあれば,即そこに電話しなさいと指導している。わたしの学科ではこの対策に,1回生時の必修で悪徳商法対策講義を開くことになった。 毎回の講義について,学生に授業評価してもらう方法も取り入れた。このカードで授業後に五つの基準で学生にA,B,C の判定をしてもらうのである。この基準に対しては,学生からいろいろ注文や改善の要望が出てきて,その度に改良を重ねてきた。基準内容や表現を変更したり,判定に困る場合があるとの学生の意見も取り入れ,ABC のランクの四つめに?を入れたりした。 さらに授業中の自分の学習態度についての学生による自己評価項目も入れるようになった。これは学生の自覚を促すとともに,携帯をいじっていたり,別のことをしていたりするなどの授業態度の悪い学生から,「わからない」「理解できない」と言われても,教師の責任ではないからである。 その後もいろいろ工夫し,もっと書けるスペースを大きくしてくれとの学生の要望を取り入れ,A4 用紙を半分に切った大きさに改良もしてきた。 最近使っている出席・意見カードは,次の頁にあげたものである。 出席・意見カードのもう一つの重要な使い方は,これを利用して学生の普段の学習努力を評価して,真面目に努力する人が報われるようにする手段として活用できることである。講義に真面目に出席して,集中して授業を聞き,それに対する自分の意見や質問を提起していれば,それが成績ポイントとして累積し,その真剣な学習のおかげで試験も楽勝であり,確実に優をとれることを示すことができるのである。