100号 page 221/242
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高知大学での教育活動をふりかえって219ではないか,という話になった。また課題探求型の方が学生の自主性を促し,学習モチベーションを高めているようである,ということでも意見が一致した。 これをきっかけにし....
高知大学での教育活動をふりかえって219ではないか,という話になった。また課題探求型の方が学生の自主性を促し,学習モチベーションを高めているようである,ということでも意見が一致した。 これをきっかけにして,わたしの国際金融論ゼミにおいても,課題探求型ゼミ授業を追求してみようと考えるようになった。 このいきさつについては,わたしの書いた次の文が詳しいので,それを転載することにする。「高知大学人文学部の社会経済学科では,教育委員会主催の教育方法改革研究会活動(いわゆるFD活動)において,これまでいろんな教員の教育方法や実践が紹介・交流されてきた。これらの活動を重ねるうちに,演習形式の授業方法について,教科書教示型と課題探求型と呼ぶことができる教育方法の対立した流れが鮮明になってきた。教科書教示型というのは,教科書で学習して基本的な知識を一通り身につけるという伝統的な方法である。課題探求型とは,ある課題を設定させ,その課題の解決のためにどのような方法があり,どのようにすればよいかを求めて,自分で調査し,自分で工夫・企画し,自分で必要な知識や情報を集めるよう指導する方法である。 教科書教示型は,完成された既製品の提供を受けるので,受動的な他人依存型といえる。これに対して課題探求型は,新規創造型であり,能動的な自己創出型である。教科書教示型は,学習する知識が整然と整理され体系だっているという良さがあるものの,どうしてもその学習スタイルは定型的で単調で,退屈になるという欠点がある。課題探求型は,学習する知識は未整理でそれが偏るという欠点もあるが,学習スタイルにはいろんな多様な方法があるし,いろんな新しい方法を考え出すこともできる。自己体験型や行動型・野外型をともなうことが多い。知らないことを体験するので,何が出てくるか分からないわくわくとした冒険的楽しさがある。ただ指導する側からすれば,前者は,道筋がはっきりと見通せるので無難で安全であるが,後者は,どういうものが出てくるかは未知数で,成功するかどうかは学生次第という不安定さをともなう。 社会経済学科では課題探求型教育実践は,若手から中堅教員を中心にして,いろんな経験が蓄積されてきて成果をあげており,現在ではこれをテーマに