100号

100号 page 223/242

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高知大学での教育活動をふりかえって221て評価するかである。国際金融ゼミであることと,やる以上はついでに社会的意義もあることをしてみたいので,まずは外貨建金融商品の販売方法について金融機関の窓口調査とそ....

高知大学での教育活動をふりかえって221て評価するかである。国際金融ゼミであることと,やる以上はついでに社会的意義もあることをしてみたいので,まずは外貨建金融商品の販売方法について金融機関の窓口調査とその対応状況の評価をしてみることにした。 ゼミでわたしがこの調査と評価についての意義と目的を話し,予備学習をした後は,どのように調査しどのように評価するかは,すべて思い切って学生たちに丸投げしてみた。以前からわたしは,ゼミを二つから三つの班に分け,班ごとに議論するというグループワーク方式を実践していた。そうしないとせっかくのゼミであるのに,教員が一方的にしゃべる「お講義ゼミ」になってしまうからである。だからこれまで渡していた教科書や資料に代わって,議論すべき課題を与えるだけでいいのである。 そうはいっても本当に自分たちでできるかどうか,生来の過保護なわたしは不安と心配でいっぱいであった。しかしそれは取り越し苦労だった。学生たちにまかせてみれば,わたしではとうてい思いつかない調査項目が出てきてうれしくなった。学生の考えた調査項目の大分類は,(1)金融機関の親近感と入りやすさ,(2)外貨建金融商品の種類と仕組み,(3)外貨建金融商品のコストとリスクの説明と対応であり,これを実際に金融機関とその窓口を訪問して調査と評価をしてみるというのである。 学生たちが調査してまとめてみると,思いのほか金融機関の対応の違いが明らかになって,貴重な報告書ができた。学生がまとめた報告書はわたしの責任で公表した(末尾の報告書一覧①参照)。そこにわたしが書いたこの調査と評価の意義と目的については,次の部分が詳しいのでそれを紹介してみよう。「この調査報告書は,高知大学人文学部社会経済学科における専門演習紀国ゼミ学生(3年生)が自主的に取り組んだ調査活動の成果をまとめたものである。 指導教授である高知大学人文学部教授の紀国正典が,学生に提起したこの調査活動の意義と目的は,次の三つである。(1)外貨建金融商品の販売が,適正かつ適法に行われているかどうか,その実状を調べること。(2)外貨建金融商品の種類とその仕組みについて学習を深めること。