100号 page 225/242
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高知大学での教育活動をふりかえって223解を深めることである。そのことで,卒業後は金融消費者の立場で金融オンブズマン的役割を果たしてもらえるであろうし,金融機関に就職したときでも,分かりやすく金融商品を....
高知大学での教育活動をふりかえって223解を深めることである。そのことで,卒業後は金融消費者の立場で金融オンブズマン的役割を果たしてもらえるであろうし,金融機関に就職したときでも,分かりやすく金融商品を説明できるだけの知識と技能をもつことができると考える。そのようにして消費者にやさしい金融機関が生き残るようにしないと,寡占化(コングロマリット化)が進んでいる金融システムはますます悪くなるばかりである。 第3の意義と目的は,教育活動としてのそれである。 金融取引の現場や実際の金融商品を自分の足と頭で調査する過程で,教科書教示型では得られない興奮や刺激を受けたり,自分で工夫する面白さを体感することによって,学習モチベーションを高めることができるのではないかと考える。さらにビジネス現場でのコミュニケーションの一端を経験することによって,ビジネス・コミュニケーションの重要性を理解でき,またビジネス・モラルとコンプライアンスについても学ぶことができるのではないだろうか。」(出所:末尾の報告書一覧①,pp. 34~36。)社会的責任金融教育の模索 課題探求型ゼミの追求と試行は,社会的責任金融教育という新しい教育理念との出会いを準備してくれていた。当初はついでなら社会的意義のあるものをやりたいと軽く考えていたのであるが,これを中軸の目的に据えれば,それはそのまま社会的責任金融教育になることに気づいた。金融機関の社会的責任という視点から,金融機関の実施状況を調査して評価し,その学習を通じて学生に社会的責任意識を高めてもらえるならば,それは社会的責任金融教育そのものだからである。 社会的責任金融教育の必要性と意義およびその内容については,わたしの書いた次の文を引用してみよう。「政府によれば,2005年は経済教育・金融教育元年だという。当時の経済財政担当大臣であった竹中平蔵氏が,議長役を務めた内閣府主催の「経済教育サミット」でそのように宣言したのである。