100号 page 232/242
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230 高知論叢 第100号デジタル・コミュニケーション技術の活用 近年のデジタル・コミュニケーション技術の急速な発展は,わたしの大学教育活動を大きく変えた。 学生の携帯電話のメールへ研究室のパソコンから送....
230 高知論叢 第100号デジタル・コミュニケーション技術の活用 近年のデジタル・コミュニケーション技術の急速な発展は,わたしの大学教育活動を大きく変えた。 学生の携帯電話のメールへ研究室のパソコンから送信する方法を,教育方法経験交流会のときに上田健作教授から教えてもらった。役立つものは何でも即取り入れるというのが私の主義である。 ついでにそれまで持っていなかった携帯電話も購入した。あまり使うことはないし,電話に拘束されるのが個人的には嫌だったのである。しかしある教員が出張中に学生からのSOS の連絡が携帯電話に入り,それが当時学科長であったわたしに電話で知らされ,深夜,現場にタクシーで駆けつけるという事件があってからは,学生との連絡用に必要であると考え持つことにした。もってみると学生との連絡や学生とのコミュニケーションにはとても役立った。 ゼミの最初には,学生と携帯の番号と携帯メール・アドレスそれに研究室のパソコン・メール・アドレスを教える。学生にはその場で,わたしのメールアドレスに送信してもらい,それをすぐに登録する。 教員にいつでも連絡できるので学生も安心するようである。私もいつでも学生に重要情報やゼミ課題などを簡単に伝達できて重宝している。最初の就職活動に失敗して消沈しているゼミ生からメールで連絡があり,励ましのメールを送信したら,当人は大泣きした後やる気を回復してがんばり,念願のところに内定を勝ち取った話を聞いた。毎週,次回のゼミ課題を学生に確認のためにメールで連絡するのであるが,毎回のそのメール連絡がうれしかったという学生の話も聞いた。メールの効果は大きい。 講義においても最初の授業で,研究室のパソコン・メール・アドレスを板書して学生に登録してもらった。学生には講義や成績のこと,わたしが取り上げられなかった質問への回答の請求などは当然として,生活全般にわたることで相談事があれば,なんでも連絡を寄こしなさいと指導している。実際に就活や人生問題,友人とのトラブルなどで相談メールがちょくちょく来た。