100号

100号 page 71/242

電子ブックを開く

このページは 100号 の電子ブックに掲載されている71ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると今すぐ対象ページへ移動します。

概要:
介護労働の変容と財政課題69うちの通院・外出介助や自立支援のための見守り的援助といった行為を含むものとし,報酬単価を従来より高い水準に設定するというものである。また,C案は「訪問介護」のみの1類型とし,....

介護労働の変容と財政課題69うちの通院・外出介助や自立支援のための見守り的援助といった行為を含むものとし,報酬単価を従来より高い水準に設定するというものである。また,C案は「訪問介護」のみの1類型とし,報酬の水準はそれまでの「身体介護」よりも低く,「家事援助」よりも高い水準で一本化するものである。事業者団体などからの意見・要望もふまえた分科会における議論13では,「家事援助を介護から切り離すことはできない」,「身体介護と家事援助はつながっており,在宅サービスは一連のもの」,「利用者にとって分かりやすい」として,報酬の一本化が望ましいとする意見も多く出されたが,介護保険制度以前は2類型だったこともあり,現実的には2類型化が妥当であるとする意見が大勢となり,第12回介護給付費分科会(2002年6月17日)において次回介護報酬改定案として2類型化が提起され,その後改定に至った。2003年度からの訪問介護では,「複合型」が廃止され「身体介護中心型」と「生活援助中心型」の2類型となった。短時間のサービスを重点的に評価する体系となり,特に生活援助は30分以上1時間未満,1時間以上1時間30分未満の場合で報酬が大幅に引き上げられた。一方,1時間30分を超える身体介護の単価は生活援助と同じとなり,報酬が引き下げられた(表7参照)。(2)2006年改定:「介護予防訪問介護」の創設様々な課題や論点を積み残したまま施行され,前出の分科会等でも「走りながら考えていく」とされる介護保険制度は,介護保険法の附則第2条において13 第9回介護給付費分科会(2002年5月13日)議事録参照。 表7 介護報酬(2003~2005年度)30分未満30分以上1時間未満1時間以上以降,30分増すごと身体介護中心型231単位402単位584単位83単位加算生活援助中心型設定なし208単位291単位83単位加算注)単位は5つの地域区分に応じ,1単位=10.00~10.72円の5段階に設定される。出所)厚生労働省告示「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準」(介護保険制度研究会『介護保険関係法令実務便覧』)を参照し,筆者作成。