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98 高知論叢 第101号趣味でやっている程度である。別荘もあるが,外から来た人が個人で住んでおり,しいたけオーナーになってくれた人もいるが,日常的な交流はない。住民すべてが何らかの活動をしているが,集落で....

98 高知論叢 第101号趣味でやっている程度である。別荘もあるが,外から来た人が個人で住んでおり,しいたけオーナーになってくれた人もいるが,日常的な交流はない。住民すべてが何らかの活動をしているが,集落で何かをやろうという気持ちはなくなりつつあり,自分の家のことで精一杯になっている。たとえば隣接する集落との合併など,集落どうしの合併の話も出たりしているが,隣接する集落の方が大きいうえ,集会所を隣接する集落の方に置くことになるので,遠くなり反対する人もいるので,実際にはなかなか難しい。集落外と交流すること自体には抵抗はない。行政支援として求めることとしては,草刈りや道路整備を村がやってくれなくなったので,大変になっている。合併によって良いような悪いようなという感じであり,期待感よりも,交付税など,合併しないとたいへんだぞ,という財政的な不安が大きかった。合併当時は寂しい気がしたが,今は慣れてきた反面,道路の問題が大変になったり,近くで用が足りていたことが遠くまで行かなければならない(たとえば印鑑登録)など,合併して不便になったとは感じる。困るほどではないが,行政や保健師との関係も薄くなっている。診療所は合併後も残っているが,医師は常駐ではなくなり,毎日の開業から,週3日の午前中に限定されるようになった。一日に10~20人は来所するため,待ち時間も長くなっている。イノシシやシカの鳥獣被害に困っており,村から補助を受けて各自で農作物を囲っているが,範囲が広いうえ,すぐに破られる。もっと丈夫なものを集落単位で行政が囲ってくれれば助かる。この集落全体で,家の跡継ぎが二人しかおらず,外に出た子は,住むために帰ってくることはない。跡継ぎがいれば何かをやろうという気になるかもしれないが,これから何かをしようということが出てこない。移住でなければ,休日,正月,盆に,子はよく帰ってくるし,月2回帰ってくる人もいる。自分が弱らない限り,この地に暮らし続けたいという思いはある。2.C集落における生活課題と取り組みC集落では,部落長を含め,任意参加してくださった住民8名(全員男性)から聞き取り調査をおこなったが(2010年1月12日),その結果は以下の通りである。