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限界集落における孤立高齢者への生活支援(中) 99C集落は,旧・阿智村の集落であり,形式上は20世帯で構成されるが,籍があるのは16世帯であり,実際に住んでいるのは13世帯で26名である。独居高齢者世帯は5世帯....

限界集落における孤立高齢者への生活支援(中) 99C集落は,旧・阿智村の集落であり,形式上は20世帯で構成されるが,籍があるのは16世帯であり,実際に住んでいるのは13世帯で26名である。独居高齢者世帯は5世帯であり,他は2~3人の世帯である。94歳が最高齢であり,ひとり暮らしだが,農作業,家事などもやり,家族が週1回,村外から来ている。他に90代が2名いるが,家族と同居している。仕事は農作業であり,畑でマイタケや季節の野菜を作っているが,ミョウガが商品用である以外は,ほとんど自家消費用である。若い人は,集落の外へ働きに出ている。通院は,阿智村役場近くの診療所まで,だいたいの人は車で通っており,それ以外は巡回バスを利用している。お茶を飲んだり話をしたりして毎日のように交流があり,親戚のようなつきあいになっている。歩けない高齢者はいるが,孤立している人はいないという。要介護認定を受けている人も,入院している人もいない。ここでも,大腰筋体操が月1回,保健師の指導のもとにおこなわれている。仏様の命日に集まるお参りが月1回,かぬえ様が2ヶ月に1回,お釈迦様が年2回おこなわれている。部落会も2ヶ月に一度,集会所でおこなわれ,春・秋のお祭りの後には宴会もある。集会所の隣に,分校の空き校舎があるが,一家族が別荘として宿泊したこともある。複数のボランティアグループが来て,人形劇をしたり,二日間,住民と一緒に道路清掃や草刈りをしたこともある(現在も継続している)。高校の生徒と先生がキャンプしたこともあり,先生とは今でも交流が続いている。集落外の人を受け入れる空気があり,学生も歓迎してもらえる(東京大学の学生や,「限界集落」の提唱者である元・高知大学授大野晃氏のゼミもここを訪れていた)。農家民宿を2軒,飲食店を1軒作った。外部の人に分校を使ってもらうという計画もあり,屋根は行政が直してくれたが,内装は手つかずになっている。間伐体験や,みょうがやマイタケの収穫などで,若い人との交流はできるという。独居高齢者は,自家用車もないため,子やきょうだいに頼んで食料を調達する必要がある人もいるし,病院に行ったついでに買い物をしてくる人もいる。自家用車を持っている人は,農協や役場周辺で買い物をしている。何かあった