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104 高知論叢 第101号③ 自治体のソフト事業への補助金や職員の専門的・人的な支援策集落の地域調査や計画づくり及び実施過程においては,行政職員や集落外の人・団体が適宜に有効な支援・協力・協働が行われるし....

104 高知論叢 第101号③ 自治体のソフト事業への補助金や職員の専門的・人的な支援策集落の地域調査や計画づくり及び実施過程においては,行政職員や集落外の人・団体が適宜に有効な支援・協力・協働が行われるしくみを形成することが必要である。④ 集落の「文化力」と「教育力」の両方に注目すること集落のもつ文化力と教育力は,地域づくりにおいて融合しており,一体的である。阿智村の集落計画づくりと「全村博物館構想」は,地域資源として郷土料理や祭りや生業を含む生活文化や自然環境に注目し,それらを集落の地域づくりにおける要素の1つとしていた。限界集落を含む過疎化・高齢化の進んだ地域・集落のもつ「文化力」に注目しているといってもいい。高知県内において限界集落を含む過疎化・高齢化の進んだ地域・集落のもつ文化力と教育力に注目した地域づくりに関連する取り組みには,高知県安芸市の中山間地域にある限界集落である入河内地区における「入河内・丸ごとキャンパス」と「高知学」といった地元学を基盤にすえた教育的なプログラムがある。これらのプログラムは,筆者(水谷)や高知短期大学地域貢献委員会などが,入河内地区の自治的組織である「町と村の交流を考える会」の支援・協力をえて,遊休地で特産品の地野菜・「入河内大根」づくりを俯瞰的(栽培・収穫・調理・消費・加工・流通)に行いながら,地元学により「地元先生」である集落の住民から,学生や街の人たちが文化・知恵・技と生きる力を学習するものである。そして間接的には,限界集落の地域づくりにかかわっているのである。限界集落を含む過疎化・高齢化の進んだ地域・集落の地域づくりにおいては,その集落が潜在的にもっている文化力とともに教育力にもしっかりと注目することが求められていると考える。