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限界集落における孤立高齢者への生活支援(中) 105おわりに本研究は,地方の限界集落において地域的に孤立状況にある高齢者の生活ニーズ全般,および地域社会と行政の支援課題を明らかにし,対応モデルを構築するこ....

限界集落における孤立高齢者への生活支援(中) 105おわりに本研究は,地方の限界集落において地域的に孤立状況にある高齢者の生活ニーズ全般,および地域社会と行政の支援課題を明らかにし,対応モデルを構築することを最終目的としている。2008年度は,限界集落における高齢者の生活ニーズを明らかにするための生活実態調査に取り組んだが,2009年度は,地域福祉と行政支援の双方における生活支援の方向を探るための事例調査(高知県内地域と県外地域)をおこなった(前稿と本稿)。生活支援の方向性としては,高知県仁淀川町のように,地域の移動ニーズに柔軟に対応できるコミュニティバス等が有効である。また,住民の主体性を尊重した生活の自立支援の方向としては,仁淀川町独自の高齢者生産活動センターの取り組み,長野県阿智村の村づくり委員会や集落計画などのユニークな取り組みが,今後の地域づくりの方向性を示していることを明らかにした。高齢者の地域的孤立化や移動等の生活問題への対応,限界集落における仕事おこしや地域づくりの方向は平坦ではないが,行政と住民の協働によって展望が拓ける方向が見出せた。今後は,2010年度のさらなる他市町村・地域の追調査をふまえ,それらを総括しつつ,限界集落における高齢者の生活支援モデルを構築していく手がかりを見出す予定である(次稿)。【注】[1] 本研究は,平成21年度科学研究費補助金(基盤研究(C))課題番号20530526,研究課題名「限界集落における高齢者の孤立問題と行政・地域社会の支援機能に関する実証分析」による研究成果の一部であり,田中きよむ(研究代表者,高知県立大学社会福祉学部教授),玉里恵美子(高知大学総合教育センター准教授),霜田博史(高知大学人文学部准教授),水谷利亮(下関市立大学経済学部教授)の共同研究である。本稿の執筆分担は,田中きよむ(はじめに,第2章Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅴ・Ⅵ・Ⅶ,第3章Ⅲ・Ⅳ,おわりに),霜田博史(第2章Ⅳ,第3章Ⅳ),水谷利亮(第3章Ⅰ・Ⅱ・Ⅴ)である。[2] 「高知県仁淀川町ガイドブック」による。[3] 高知県「平成22年度版 県勢の主要指標」[4] いずれも2010年3月末現在,高知県「平成22年度版 県勢の主要指標」による。[5] 財政データは, とくに断りのない限り, 各年度の決算カードおよび高知県市