101号

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ホワイトカラーにおける選抜と熟練形成111生産管理,(13)製品開発・設計,(14)研究・開発,(15)その他,の15種類である。また最長職能分野については,その分野でどのような仕事を経験しましたか,という項目....

ホワイトカラーにおける選抜と熟練形成111生産管理,(13)製品開発・設計,(14)研究・開発,(15)その他,の15種類である。また最長職能分野については,その分野でどのような仕事を経験しましたか,という項目も用意されており,回答として「1,その職能の中で1つの仕事を長く経験してきた(例えば経理ならば原価計算のみ)」「2,その職能の中で2つか3つの仕事を経験してきた(たとえば経理ならば原価計算と決算など)」「3,その職能の中で数多くの仕事を計算してきた」という項目が示されている。アンケートでは労働者の技能水準そのものは聞いていないため,技能水準を仕事経験で代替するしかない。ここでは仕事経験の指標として“現在の会社”での①「経験した職能の数」および先述の②「経験した最長職能」の分野での仕事経験(1~3),の二つを仕事経験の指標とした。「経験した職能の数」を被説明変数としたモデルにおいてはWhite(1980)のロバスト推定を行い,また「経験した最長職能」での仕事経験を被説明変数としたケースでは,先述の3種類の回答を被説明変数としたオーダード・プロビット推定を行った。理論モデルでは,選抜が仕事経験に及ぼす効果は早く昇進する人と遅く昇進する人で異なる。アンケートでは,回答者が「現在の会社に入社した年」に加えて現在の「役職(取締役部長,部長,その他)」および「現在の役職に就いた年」を聞いていることから,本稿では現在の役職に就いた年から現在の会社に入社した年を差し引いたものを昇進までかかった年数とし,この年数と先の選抜指標のクロス項を説明変数として用いた。クロス項の係数をみることで,昇進が遅い労働者の仕事経験への効果を識別出来る。またここでは,サンプルを男性および転職経験のない労働者に限定した。表1に記述統計量が示してある。製造業,非製造業別の結果も併せて示しているが,概ね「第一選抜出現期」は8 年,「よこばい群出現期」は21年程度であり,小池(2005)で示されている年数よりも若干長めになっている。また管理職に対するアンケート調査ということもあり,8 割以上が大卒であり,また表には載せていないが,女性比率はサンプルの1%にも満たない。基本属性は製造業と非製造業で大差はないが,役職構成及び規模構成について多少違いがみられる。次節では,まず「第一選抜出現期」および「よこばい群出現期」を決定する