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ホワイトカラーにおける選抜と熟練形成115ている傾向がみられる。まず「第一選抜出現期」の効果がプラスなっている一方で,「現在の役職に就くまでの年数とのクロス項」についてはマイナスで有意な結果が出ている。....

ホワイトカラーにおける選抜と熟練形成115ている傾向がみられる。まず「第一選抜出現期」の効果がプラスなっている一方で,「現在の役職に就くまでの年数とのクロス項」についてはマイナスで有意な結果が出ている。この結果は,第一選抜の期間を長くするほど,潜在的にleader の素質を持った労働者はひとつの職能の中でより深い仕事を経験することが出来る一方で,そうでない労働者はより浅い仕事しか経験できないことを示唆している。梅崎(2005)が指摘しているように,明確な昇進以前に仕事の“質”における仕事序列競争が存在するとすれば,上記の結果は決定的な選抜が行われる「よこばい群出現期」の前に職能内経験における仕事序列競争が起きているとも解釈できる。表3 選抜が「経験した職能の数」に及ぼす効果全 体製造業非製造業第1選抜出現期0.008(0.154)0.388(0.300)- 0.321*(0.168) 現在の役職につくまでの年数とのクロス項-0.0009(0.005)-0.014(0.011)0.010*(0.006)よこばい群出現期- 0.122**(0.060)- 0.258**(0.130)-0.026(0.069) 現在の役職につくまでの年数とのクロス項0.004*(0.002)0.008*(0.005)0.002(0.002)年齢0.065(0.075)0.034(0.119)0.077(0.102)勤続年数-0.060(0.085)-0.013(0.124)-0.090(0.122)現在の役職(ベース:部長,その他) 取締役部長0.162(0.229)0.199(0.342)0.071(0.291)学歴:(ベース:大卒) 高校卒-0.496(0.429)-1.245(0.712)-0.124(0.558) 短大・高専卒-0.190(0.938)-0.198(1.459)- 0.416*(0.250) 大学院修士課程修了-0.345(0.565)-0.994(0.638)0.701(0.719)定数項1.966(1.889)2.780(3.301)1.604(2.247)決定係数0.048 0.072 0.081サンプルサイズ398 213 185注)推定方法としてWhite (1980) のロバスト推定法を用いた。  表の見方は,表2に同じ。