101号

101号 page 12/162

電子ブックを開く

このページは 101号 の電子ブックに掲載されている12ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると今すぐ対象ページへ移動します。

概要:
10 高知論叢 第101号以下に群平均法によるクラスター分析による類型を示した。クラスター1  1885~1899 15期 日露戦争以前:基礎的財政収支が-2%赤字,軍事費 3.87%,政府債務 23%クラスター2  1900~1929 ....

10 高知論叢 第101号以下に群平均法によるクラスター分析による類型を示した。クラスター1  1885~1899 15期 日露戦争以前:基礎的財政収支が-2%赤字,軍事費 3.87%,政府債務 23%クラスター2  1900~1929 30期 日清後から日露日中戦争戦間期:基礎的財政収支が-1.7%,軍事費 5.8%,政府債務 40%クラスター3  1930~1940 11期 準戦時:日露戦後から第一次大戦,基礎的財政収支が-40%,軍事費10%,政府債務60%群平均法によるクラスター分析でも戦時が財政の大きな画期であることが示されている。以上のクラスター分析を考慮して,以下の本稿では明治初期から日露戦期(1885~1906)を第1 期,日露戦後から昭和恐慌(1907~1929)までを第2 期,昭和恐慌から日中戦争期(1930~1940)を第3 期とした。3.ダミー変数を用いた検定(1)ダミー変数を用いたBohn 検定基礎的財政収支/GNP と累積政府債務/GNP を均衡させようとする政府の財政政策が機能した場合は,財政の持続のために有意であり,相関関係を有するという仮説を,戦前期の日本の財政指数をBohn 検定によって検証した。日本の財政数値は軍事費の増加による異常値があり,異常値ダミーを用いる。本稿の場合,臨時軍事費特別会計が組まれた年度にダミー変数を用いた。その年度会計は軍事費,債務が大幅に増加し,プライマリーバランスに大きく影響する異常値を示す年度予算である。同特別会計は単年度予算ではなく,年をまたがって支出されているが,いずれも一般会計には計上されていない。従って本稿では一般会計に当該年度に支出された臨時軍事費特別会計を含めた金額を政府歳出として計算した。臨時軍事費特別会計が設定された年次と内訳7は以下の通りである。7 臨時軍事費特別会計,戦争における経費を一般会計から切り離し,1 会計年度とみなして処理された。『昭和財政史』(東洋経済新報社1955年)