101号

101号 page 131/162

電子ブックを開く

このページは 101号 の電子ブックに掲載されている131ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると今すぐ対象ページへ移動します。

概要:
高知県自動車部品関連会社の交流会の狙いと現状129るだろうが,現状では,物流費を抑制するためには一般道を使って運ばざるを得ないとのことである。当初,描いていた高知工場の操業計画では,作業領域を順次拡大す....

高知県自動車部品関連会社の交流会の狙いと現状129るだろうが,現状では,物流費を抑制するためには一般道を使って運ばざるを得ないとのことである。当初,描いていた高知工場の操業計画では,作業領域を順次拡大する予定であったが,物流面での問題もあって計画通り展開されていない。また,物流の問題は生産品目を限定することになる。生地を手配して,それを高知工場へ運び,裁断,縫製することになると,需要変動が少ないものをやらないと,大量の材料在庫(仕掛品在庫)を持つか,納期遅れになるかのどちらかに陥りやすくなってしまう。完成車メーカーが需要変動に対応した生産をするため,部品サプライヤーとしても部品供給を柔軟に行わなければならない。高知県内で材料調達ができない状況では,材料供給にも物流リードタイムがかかるため,車種ごとに異なる需要変動性を考慮して生産品目を選定する必要が生じてくるという。2 誘致企業B 社1986年に操業を開始し,自動車関連部品ではエンジン用アルミ鋳造部品を生産している。親会社は大阪府に本社をおき,エンジン部品を完成車メーカーに納入している。親会社が設計を行い,生産ラインの冶具についてはB社と親会社で協議しながら設計を行い,供給を受けている。なお,親会社が金型製作も行う。B 社が高知県に設立された理由は,B 社の現在の代表取締役であるⅩ氏が親会社で立ち上げたポンプ設備のビジネスと関係している。ポンプ設備の試作に当たって,さまざまな加工機を検討した結果,ひとつの加工機が適していると判明し,それを保有している企業を調査したところ高知県の工作機械メーカーがその設備を持っていた。そこで,その工作機械メーカーに試作をいくつか発注し,ポンプ設備の事業が徐々に立ち上がった。そうした状況で,工作機械メーカー側から,機械加工の作業は支援をするので高知県で工場建設してはどうかという誘いを受けて,B 社が設立されることになる。B社の鋳造部門の生産能力は毎月60トンであり,この部門の人員は26名である9。現在の全従業員は53名であり,すべて高知県出身者であるという。ここ9 B 社の会社案内を参照。