101号

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高知県自動車部品関連会社の交流会の狙いと現状143とも可能になる。さらに,企業間ネットワークに目を向ければ,活用できそうなものが少なくともふたつある。ひとつは地場企業間にある協力会社ネットワークである。....

高知県自動車部品関連会社の交流会の狙いと現状143とも可能になる。さらに,企業間ネットワークに目を向ければ,活用できそうなものが少なくともふたつある。ひとつは地場企業間にある協力会社ネットワークである。高知県内にはいくつかの企業を頂点とする協力会社ネットワークが存在している。大企業と比べれば規模もバラエティも見劣りするものであるが,そうであっても阿吽の呼吸で仕事を出し合う関係が存在する。このネットワークを活用して,これまで体験したことのない「量」をこなすことはできないだろうか。それぞれの企業の受注状況にあわせて,仕事を計画的に分け合うことによって,既存顧客に迷惑をかけることなく,参入することが可能になるかもしれない。ここまで幸せな夢物語ではなくとも,需要の拡大により近隣の自動車関連部品企業の生産能力で応じられない場合,即座に協力会社が共同で溢れた需要の受け皿になれるような体制を用意しておくことによって,徐々に自動車産業の管理技術を身に付けていくとともに,価格競争力,品質の作り込みの仕方,「量」への対応力を高めるという現実的なストーリーを描くことができるかもしれない。そして,その鍵は長年にわたる協力会社関係に根ざした阿吽の関係であり,これをうまく活用する手段を考えなければならないだろう。もうひとつは,工業団地内に生まれているネットワーク関係である。工業団地内の企業同士が受発注関係になっているケースはそれほど多くない。それにもかかわらず,工場長同士の情報交換が発展するなかでお互いの得意領域を認識しあい,相互に技術や設備を活用しはじめている。設備の故障や納期が切迫した場合など,イレギュラー時の活用から始まったようであるが,いくつかの企業では,日々のオペレーションで生じる悩みを解決するために設備やノウハウを活用しあう関係にまで発展している。このような自然発生的なネットワークは特定の分野に特化しているわけではないので,一点突破的な強さや力を持っているわけではない。しかし,いまでき上がっているネットワークの隙間を埋めるべくそれぞれの企業の得意領域を広げたり,補完する企業に進出を促したりすることによって,各社が製造する部品をワンストップで仕上げることができるかもしれない。このことは誘致企業が認識していたデメリットを解消するだけでなく,もう一歩踏み出すことによって,このネットワークを活用し