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高知県自動車部品関連会社の交流会の狙いと現状147を見る必要がある。④交流会による試行錯誤のバックアップこれらの経路が整備され,そのどれかを企業は選択し,安定生産体制を構築しはじめたとき,もうひとつの仕....

高知県自動車部品関連会社の交流会の狙いと現状147を見る必要がある。④交流会による試行錯誤のバックアップこれらの経路が整備され,そのどれかを企業は選択し,安定生産体制を構築しはじめたとき,もうひとつの仕掛けを作っておくことが望ましいと考える。それは高知県が目論んだ交流会の機能そのものである。それぞれの企業が安定生産体制の構築を目指して,学び,考え,実行に移し,結果をみて再び悩むといった,試行錯誤のサイクルを繰り返すはずである。もし,交流会が頻繁かつ緊密に実質的な開催がされ,各社の試行錯誤について胸襟を開いてぶつけ合い,学びあうことができれば,よりスムーズに安定的な生産体制を構築できるだろう。各社の生産管理担当者が身近に感じている(書籍で論じられている現場ではなく)リアリティのある現場で,どんな試行錯誤が行われたのかを知り合うことは,自社の試行錯誤の際にきっとヒントになるからである。生産体制とともに,物流体制の構築も高知県に立地する企業にとっては難しい課題である。これを試行錯誤する際,試行錯誤と同時に真摯に学び取る姿勢が重要なのではないかと思う。県内企業にも学びの対象がある。例えば,誘致企業C 社のグループ各社は荒天による物流経路の遮断が予測される地域に立地することが多い。C 社のグループ各社は,すべての拠点で天候リスクを回避し,確実に納入する仕組みをあらかじめ設計している。わたしは,その具体像を把握しているわけではないが,試行錯誤するだけではなく,リアリティのある現場から学び取ることによって,安定的な物流体制を少ない在庫で構築することができるのではないだろうか。つまり,これも交流会が構築を促進しそうな課題である。⑤ものづくりを支える人材育成以上のような経路や仕掛けで,生産管理面での安定的な生産体制の構築できるだろう。しかし,その一方で,肝心のものづくりを担う人材については,まだ置き去りにしていた。Ⅲで確認したように,技術を売りにする企業では,例えば,金型製作や鋳造などのように熟練を要する技術者のストックが高知県内