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日本財政の持続可能性に関する研究13政府債務/GNP の各期数値をp 値1 ,t 値1で示し,p 値2 ,t 値2 はダミー変数を用いた数値である。上記のようにダミー変数を用いた場合に強い相関関係があるが,ダミーを用いない....

日本財政の持続可能性に関する研究13政府債務/GNP の各期数値をp 値1 ,t 値1で示し,p 値2 ,t 値2 はダミー変数を用いた数値である。上記のようにダミー変数を用いた場合に強い相関関係があるが,ダミーを用いない場合のp 値は0.42という大きい数値を示しており,仮説は有意性を示していない。説明変数の政府債務にダミー変数を用いない場合は有意仮説が棄却されない。p 値2 は0.421089であり, t 値2 は0.81083である。1940年までの日本財政は,基礎的財政収支は政府債務と均衡する時期と乖離する時期のみが際だった相違がみられる。このことは基礎的財政収支と政府債務という2 つの指数だけではなく,説明変数として第2 の指数を入れなければ,財政の均衡・発散を説明できない可能性があることを示唆している。(4)ダミー変数を使わない場合ダミー変数を使わない場合における1885年~1940年GNP 比基礎的財政収支とGNP 比政府債務の相関推移は,均衡点にある場合と右下にマイナスに発散した場合が見られる(図3 )。発散した場合は昭和初期以降の暦年であり,日本の財政債務が発散し,持続可能性が失われた。また一時発散したが数年で収斂した時期は日露戦争前後の時期であり,この時期以降の戦間期は財政の持続性が保持された。ただしこれら異常値の時期にダミー変数を用いて観測値を補正しても,現実の財政継続性を証明する事にはならないことは無論である(図4 )。独立性の検定の帰無仮説は,有意確率p <0.05の有意な関係を示す。行変数と列変数に有意な関係性があるかどうかを検討する。標準化残差は,近似的に標準正規分布にしたがうため,絶対値が1.96を超えるようであれば5 % 水準で有意差がある。この標準化残差を標準誤差で除算した値が,調整済み標準化残差で,標準化残差よりも正規分布に近似する。調整済み標準化残差を計算して,絶対値1.96の基準で読み取る。標準残差=―――――――― 実測値-期待値期待値