101号

101号 page 151/162

電子ブックを開く

このページは 101号 の電子ブックに掲載されている151ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると今すぐ対象ページへ移動します。

概要:
高知県自動車部品関連会社の交流会の狙いと現状149をとって,工業団地内の一社を題材にして,その企業が現在取り組んでいる課題について,一緒に試行錯誤するという研修事業を実施している。何度も繰り返すことにな....

高知県自動車部品関連会社の交流会の狙いと現状149をとって,工業団地内の一社を題材にして,その企業が現在取り組んでいる課題について,一緒に試行錯誤するという研修事業を実施している。何度も繰り返すことになるが,工業団地に立地する企業は,誘致企業がほとんどであり,地場企業との比較において,安定操業体制の構築はなされていると考えてよい。しかし,この研修事業がより高い頻度と緊密性をもって実行されれば,工業団地内の相互理解はさらに高まるとともに,各社の試行錯誤のサイクルも当然のことながらより一層強力にまわることになる。そして,各社の試行錯誤の結果,強くなった生産現場が工業団地ネットワークを使って構築する新たなバリューチェーンをより魅力的なものとし,ユニット受注の機会を高めるだろう。(2)売れるアプリケーションの発見と量産技術への磨き上げ自らの技術を製品にして部品サプライヤーや完成車メーカーに供給しようとする企業にとって,安定的な供給体制の構築と合わせて考えるべきことは,売れる技術の発見とそれを磨き上げるにはどうしたらよいかである。発見と磨き上げの両方について,自動車関連産業でサクセスストーリーの代表格であるミロクテクノウッドと,今後の飛躍が期待される廣瀬製紙の事例はヒントを与えてくれている15。ミロクテクノウッドはその前身であるミロク銃床において,木を加工する技術を活かすべく,さまざまな木製品を手当たり次第試作していた。廣瀬製紙もユーザーの声に耳を傾け,多様な素材をつかった不織布の開発に取り組んだり,技術の限界にチャレンジするような機能性不織布の開発に取り掛かったりしていた。両社に共通することは,技術を見えるカタチにし続けたことにある。つまり,「技術の見える化」をし続けてきたのである。技術の新たなアプリケーションを見付けようとする多くの企業は,試作をいくつかして,それに目をつけてもらえなければ,いまあるアプリケーションにしがみついて,何とか生き延びようと画策する。しかし,言葉は悪いが,両者は下手な鉄砲を打つように,技術をいろんなカタチにして,未だ見ぬ顧客に会えるよう広く訴求してきたの15 四銀キャピタルリサーチ編[2011]の第4章に二つの企業の事例について記述しているので参照いただきたい。