101号

101号 page 153/162

電子ブックを開く

このページは 101号 の電子ブックに掲載されている153ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると今すぐ対象ページへ移動します。

概要:
高知県自動車部品関連会社の交流会の狙いと現状151く社名を知っているくらいのレベルであれば,そうはいかない。どんな技術を持っているのかを,高知県内の企業がよりよく理解しあうためには,共同受注などのきっか....

高知県自動車部品関連会社の交流会の狙いと現状151く社名を知っているくらいのレベルであれば,そうはいかない。どんな技術を持っているのかを,高知県内の企業がよりよく理解しあうためには,共同受注などのきっかけが強力なバックアップになるのではないだろうか。実際に,高知県工業会は高知県が旗振り役を務める「ものづくり地産地消」に対して,会員企業がパートナーを組んで共同受注することを支援している。このように「カネ」になる案件を通して,お互いの技術を突き合わせる方が,相互理解が深まるのは言うまでもない。協力会社や工業団地の各ネットワークの参加者間の結びつきをより緊密にしたり,ネットワーク外部にいる企業によって,バリューチェーンを強化させようとするとき,工業会が支援する共同受注は,更なるバックアップになる。さらに,地産地消の性格はなくなるが,もし,高知県や工業会が音頭をとって,部品サプライヤーに納入する部品を共同受注できるような場をセッティングできれば,再構築されたバリューチェーンの各企業は高知県自動車関連産業の発展に向けて急加速すべく,安定的な供給体制の構築に邁進できるだろう。(4)経営者の意志の重要性ここまで挙げてきたことは,当該企業の外部環境の体制作りに注目したものが多かった。このような外部環境が整ったとしても,経営者の意志が強くなければ,自動車産業の発展可能性は限りなくゼロになってしまう。前節で確認したように,継続的な取り組みを行うことは自動車関連産業において重要であるが,日々の愚直な取り組みを行い続けるためには経営者の意志が重要である。おそらく精神論のように聞こえるだろう。しかし,わたしは次のようなことが多くの企業で起こっていると見聞きしてきた。ほとんどすべての企業で「○○に取り組み,△△を改善しよう」というようなスローガンを掲げてさまざまな取り組み(主に改善運動)を行っている。しかし,数年後( 1年後?)には「□□に取り組み,××を実現しよう」という新たなスローガンが掲げられている企業が多い。掲げていたスローガンとその取り組みの成果を検証し,反省のなかから創意工夫し続けるということなしに,数年間(あるいは,1年間)改善したことが組織として定着し,浸透することは稀である。一