101号

101号 page 27/162

電子ブックを開く

このページは 101号 の電子ブックに掲載されている27ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると今すぐ対象ページへ移動します。

概要:
日本財政の持続可能性に関する研究25る準備金であり,預金比率,準備金比率の変動により貨幣乗数は変動する。マーシャルのk は,経済規模の拡大とともに上昇する。マーシャルのk は,戦後バブル経済の時期に1 を超え....

日本財政の持続可能性に関する研究25る準備金であり,預金比率,準備金比率の変動により貨幣乗数は変動する。マーシャルのk は,経済規模の拡大とともに上昇する。マーシャルのk は,戦後バブル経済の時期に1 を超えた。長期金利の低下と国民所得は逆相関にあり,マネーサプライの増加はGNP を押し上げてきた。マーシャルのk,信用乗数の伸びは昭和初期には鈍化しており,戦時において,GNP,マネーサプライが増加しても,経済主体は逆に現金選好(貨幣需要)を低下させている。信用乗数は明治末期から大正後期まで上昇する。すなわち日清日露戦後から第一次大戦後まで上昇し,第一次大戦後の不況,金融恐慌,昭和恐慌期には漸減する。マーシャルのk は,明治後期から第一次大戦後まで安定していたが,第一次大戦後の一時期上昇し,以後昭和恐慌まで横ばい,ないし漸減する。昭和恐慌以後,満州事変,準戦時体制に入り,臨時軍事費の増加とともに,信用乗数,マーシャルのk は急増する。特にマーシャルのk は数年で5 倍以上に増加し,バブルを意味する1 を突破する。日中戦争中以降の戦時体制下においてはマネーサプライの増加に比してGNP の増加は低減した。マネーサプライほどにGNP は増加しない。すなわち民間にマネーは循環せ図12 マーシャルのk(右軸)と信用乗数(左軸)資料:出所は図11に同じ00.20.40.60.811.20123456190219051908191119141917192019231926192919321935193819411944信用乗数マーシャルのk