101号

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32 高知論叢 第101号図16- ② 各省別歳出割合推移(臨時軍事費を含む一般会計歳出1868~1929)資料:出所は図1に同じ政策充実を背景にして拡大したが,軍政に関連する諸....

32 高知論叢 第101号図16- ② 各省別歳出割合推移(臨時軍事費を含む一般会計歳出1868~1929)資料:出所は図1に同じ政策充実を背景にして拡大したが,軍政に関連する諸省費であった。日本の財政には軍以外の諸省予算に関しても軍事優先が貫かれていた。しかし,1920年以降,臨時軍事費を除く一般会計の軍事費は,諸省の伸びに対して停滞し,他省の歳出と均衡した。このことが軍と他省庁の対立を深めた要因であった。結公債残高対GDP 比と基礎的財政収支対GDP 比が正の相関関係を持っていれば政府債務は持続可能であるとするドーマー条件は,長期金利がGDP 成長率を常に上回るような成長経済を前提にしたものであり,かつ戦時体制下における財政破綻を過小に評価したものであった。ところが,戦時経済が常態化した日本はGNP 以上に債務が増加し,債務以上のスピードで軍事費を増大させた。そのことが公債が無制限に発行された主因であった。戦前の日本は,基礎的財