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52 高知論叢 第101号定機能に相当する(または関連の深い)言葉を内包する分類名(または機能名)の,両方とも用いられておらず,かつ,個々の分類名(または機能名)の説明文にも経営戦略立案機能または経営戦略決....

52 高知論叢 第101号定機能に相当する(または関連の深い)言葉を内包する分類名(または機能名)の,両方とも用いられておらず,かつ,個々の分類名(または機能名)の説明文にも経営戦略立案機能または経営戦略決定機能に相当する(または関連の深い)言葉を全く含んでいないもの(すなわち,分類基準①を用いていないもの)。小松原(1996)が該当する。同文献も,本社スタッフのみを機能分類の対象としており,トップ・マネジメントは対象外である。ただし,小松原(1996)では本社と(諸)事業部門との間での最適な機能分担のあり方を企業アンケートに基づいて実証的に明らかにしようと試みているのに対して,他の諸文献は本社の諸機能について理論的・体系的に説明するために分類を行っている点に,注意すべきである。その意味では,小松原(1996)による分類事例は,他の分類諸事例とは異質なものといえる。上記(a)~(d)のうち,(a),(b),及び(c)は,分類基準①を用いており,(d)のみ①を用いていない。(d)に該当する文献,すなわち分類基準①を用いていない文献は小松原(1996)の1件のみである。しかも,他の全ての分類諸事例が著者による体系的な機能分類であるのに対して,小松原(1996)における分類は,本社と事業部門との間での機能分担に関する企業アンケートの回答を整理・分類したものであり,体系的な本社機能分類とはいえない。従って,基本的に分類基準①は,体系的な本社機能分類を行う諸文献に普遍的に用いられているといえる。このことは,経営戦略の立案機能や決定機能が,本社を本社たらしめている,本社の本質的属性であるという可能性を少なからず示唆しているのであるが,この点については,次項において,別の観点を加えつつ,詳しく議論する。②「当該機能の全般性・専門性」は,半数強の諸文献・分類諸事例で用いられており,不採用は22件中10件(小野豊明, 1957 ; 宮川・和田, 1985 ; 佐野・山本, 1994 ; 小松原, 1996 ; 増田, 200329 ; Chandler, 1991; Young, Goold et al.,2000 ; Goold and Campbell, 2002a; 小沼・河野, 2005 ; 加護野・上野・吉村,2006)である。とりわけ,佐野・山本(1994),小松原(1996)や,Goold and