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経営学分野における本社の定義及び関連諸事項に関する一考察55⑦「当該機能の絶対性・相対性(1)(内製(集中・分散))」も多く用いられている(不採用は6件:基本的なスタッフ機能分類(2) ; 小野洋祐, 1994 ;M....

経営学分野における本社の定義及び関連諸事項に関する一考察55⑦「当該機能の絶対性・相対性(1)(内製(集中・分散))」も多く用いられている(不採用は6件:基本的なスタッフ機能分類(2) ; 小野洋祐, 1994 ;Mintzberg, 1979 ; Tomasko, 1987; Chandler, 1991; 小沼・河野, 2005)。この分類基準は④「当該機能実行の主な手段(助言かサービスか)」の分類基準と組み合わせて用いられることが多い。特に,共通サービス機能(またはシェアード・サービス機能)を本社の諸機能の一つに挙げている文献では,ほぼ必ず業務の集中処理のメリットに言及しているが,例えば,樋口(1995)やYoung, Goold et al. (2000)やGoold and Campbell(2002a)においては,絶対的本社機能と相対的本社機能との区別が最優先されている。他方,⑦絶対性・相対性(1)(内製(集中・分散))の分類基準を用いていない諸文献・本社(またはスタッフ)機能分類諸事例のうち,Chandler(1991)においては,共通サービス機能そのものを本社機能とはみなしていないようである34。また,小沼・河野(2005)については,コーポレートハブに関する議論が中心であり,共通サービス機能またはシェアード・サービス機能についての議論は省略されている。⑧「当該機能の絶対性・相対性(2)(内製・分社化・外注化)」を分類基準として用いる本社機能分類は1990年代半ばから急増しており,これは1990年代前半より活発化した諸企業の「小さな本社」への動きと非常によく呼応している(22件中9件(樋口, 1995 ; 梅澤・前川, 2003 ; 島本, 2002 ; 増田, 2003 ; 森沢,2005 ; Young, Goold et al., 2000 ; Goold and Campbell, 2002a; 加護野・上野・吉村, 2006 ; Goold and Campbell, 2002b)で採用)35。⑨「当該機能担当機関・部署のもつ価値創造能力」について,価値創造能力(または価値創造機能)という概念は,先述の通り,Goold and Campbell(1987)において初めて提案されたのであるが36,本社機能の分類基準として初めて明示的に用いられたのは,恐らくはChandler(1991)においてである(第15表参照)。ただし,本社による価値創造の主たる方法は経営戦略の策定や資源配分など37であることから,前掲の価値創造能力を分類基準として用いた