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限界集落における孤立高齢者への生活支援(中) 63高知県保護無形民俗文化財にも指定され,大祭日には多くの人が訪れる。2005年には,廃校となっていた下名野川小学校を活用した山村自然楽校「しもなの郷」が開校し....

限界集落における孤立高齢者への生活支援(中) 63高知県保護無形民俗文化財にも指定され,大祭日には多くの人が訪れる。2005年には,廃校となっていた下名野川小学校を活用した山村自然楽校「しもなの郷」が開校した。宿泊施設として活用され,しもなの郷の上流域一帯「夢の森」では自然体験ができる。人口千人当たり出生率は3.8‰,死亡率は19.0‰(ともに2009年)であり,出生率は県下平均(7.0‰)の半分程度の水準であり,死亡率は高知県平均(12.1‰)を7ポイントほど上回っている[3]。また,15歳未満の年少人口比率(8.0%)は県下平均(12.3%)を下回り,生産年齢人口比率(43.2%)も県下平均(59.6%)を下回る一方,65歳以上の老年人口比率(48.8%)は県下平均(28.2%)を大きく上回り,大豊町(53.1%)に次いで県下2位の水準にある[4]。Ⅱ 少数世帯集落における高齢者の生活実態と支援課題本節(Ⅱ)では,2008,2009年度の追調査として,限界集落における高齢者の生活実態と支援課題を明らかにする目的でおこなった調査結果を示す。今回はとくに世帯数が減少してきている集落を社会福祉協議会の協力を得ながら抽出し,個別訪問調査をおこなった。調査方法は,インタビューガイドに即して,集落における生活状況(世帯や地理的特徴,家族との関係,就労や居住環境,移動状況やライフライン,福祉・医療サービス等の利用状況,通信,鳥獣被害など),集落における活動(地域の役員等,共同作業,近所づきあいや支えあい活動),暮らしのうえでの悩みや楽しいこと,地域に住み続ける思い,そのために行政に求めることや地域でできること,集落の今後,等の調査項目について,半構造化面接法による訪問聞き取り調査をおこなった。仁淀川町のA集落Bさん夫婦(80歳代夫,年齢不詳妻の1世帯集落)から聞き取り調査をおこなった(2011年1月27日)。以下に,その調査結果を示す。集落の状況は,名目上2 世帯であるが,うち1世帯は入院中であるので,事実上1 世帯となっている。Bさん夫婦と,Bさん夫の弟さんの3 人暮らしをしている。所在地は,仁淀川町役場から車で20分程度の距離に位置する。