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72 高知論叢 第101号Ⅳ 財政状況仁淀川町は,2005(平成17)年8月1日,吾川村・池川町・仁淀村の3町村が合併して誕生した。同町は,人口数と産業構造から見て同じ類型に属する自治体の平均面積と比べて約3倍と....

72 高知論叢 第101号Ⅳ 財政状況仁淀川町は,2005(平成17)年8月1日,吾川村・池川町・仁淀村の3町村が合併して誕生した。同町は,人口数と産業構造から見て同じ類型に属する自治体の平均面積と比べて約3倍という大きな行政区画を抱えた自治体として出発することになった。仁淀川町が合併に踏み切った背景には財政的な見通しが厳しいことがあったということである。そこで,仁淀川町の財政状況について,合併前後の変化に重点を置いて検討することにしたい[5]。1.仁淀川町財政の概況2008(平成20)年度の決算状況からみると,仁淀川町の財政規模は,歳入総額69.8億円,歳出総額66.9億円,標準財政規模42.9億円であり,財政力指数は0.20となっている。類似団体平均(市町村類型Ⅱ-1)からみて,財政規模がやや大きく,財政力指数がかなり低いことが目立つ(類似団体平均で,標準財政規模が 26.6億円,財政力指数は 0.43)。市町村財政比較分析表(平成20年度普通会計決算)によると,他の類似団体と比較した時に,人件費・物件費等の適正度,定員管理の適正度が非常に悪いことが目に付く。とりわけ人件費・物件費等の適正度は類似団体中最下位であり,物件費等についての特殊要因もあるが,合併後も職員数がかなり維持されていることがみてとれる。また,公債費負担の状況についてはほぼ類似団体の平均値まで改善しており,財政構造の弾力性はまだあまり余裕がないところではあるが,合併による行政改革効果という点からすれば,徐々に効果が現れてきているようである。しかし,仁淀川町の面積の大きさからすると,今後他団体と同様の職員数に減らしていっていいのかどうかということは,行政サービス水準維持という点からすると難しい課題となることが予想される。2.町村合併前後での財政面から見た変化仁淀川町としての決算データは2005年度から作成されているが,2005年8月に合併した経緯を考えれば,新町としての財政データは2006年度からというこ