101号

101号 page 78/162

電子ブックを開く

このページは 101号 の電子ブックに掲載されている78ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると今すぐ対象ページへ移動します。

概要:
76 高知論叢 第101号し,生きがいづくり,生活収入の確保につなげられているユニークな取り組みとして,「土佐自然工場」が運営する「高齢者生産活動センター」がある。その事業の現状と課題に関する同センターから....

76 高知論叢 第101号し,生きがいづくり,生活収入の確保につなげられているユニークな取り組みとして,「土佐自然工場」が運営する「高齢者生産活動センター」がある。その事業の現状と課題に関する同センターからの聞き取り・視察調査(2010年1月18日)の結果は,以下の通りである。同センターは1978年の開設当初は町が管理していたが,その後,農協への委託→西仁淀介護公社(3町村の共同出資)への委託→旧・池川町社協への委託,と変遷した。デイサービス併用の形でセンター運営されていた時期もあったが,社協に委託された2000年度からは生産活動に特化している。町村合併の際には,廃止の考えもあったが,合併前に旧・池川町から「土佐自然工場」へ,さらに委託された。行政からの委託料は年間670万円であったが,2009年度から補助が廃止された。加工は,「土佐自然工場」から,さらに仁淀川町生産活動組合に委託している(雇用ではなく加工賃が払われている)。行政からの仕事の委託は2008年度までなので,2009年度からは家賃(月1万円)を支払って借りる形をとり,2009年度は800~1000万円程度の赤字の見通しである。補助が廃止されたので,高知市に移転することも考えたが,経費がかかりリスクが大きいので,ここで続けたいという。委託料がないと経営が厳しく,年間売り上げは1億4000~5000万円あるが,経費がかかっている。池川町には,5000~6000万円落ちている。利用者数は以前からあまり変わらず,8人が利用(生産活動に従事)している。利用者を増やせる余地はあるが,希望が出ていないという。高齢者が送迎も,昼食の食事づくりもしている。利用者をサポートするスタッフは,「夜の部」(すしづくり等のため,朝4時30分の出荷に備える)が一日4~5名,「昼の部」が一日20名となっており,多くは時間給となっている(月給は4名のみ)。直販店は,高知市内の1店のみとなっており,それ以外は高知市内のスーパー8社(さらに各社ごとに店舗に分かれる)に出荷している。町内の140程度の農家から寄せられる作物を市内に運ぶが,農家への還元分とスーパーの取り分を除くと,5~10%程度の利益にしかならず,直販店の方がよいという。利用者は,加工賃が一日2100円(弁当代500円を含む)であり,月4万円くらいの収入になる。利用対象者は60歳以上が基準であるが,実際の利用者の年齢