101号

101号 page 85/162

電子ブックを開く

このページは 101号 の電子ブックに掲載されている85ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると今すぐ対象ページへ移動します。

概要:
限界集落における孤立高齢者への生活支援(中) 83健康づくり面では,自主運動グループの取り組みに積極的な地域があるが,集会所近辺に住民が住んでいること等の条件に左右されている面もあるので,送迎等の条件面....

限界集落における孤立高齢者への生活支援(中) 83健康づくり面では,自主運動グループの取り組みに積極的な地域があるが,集会所近辺に住民が住んでいること等の条件に左右されている面もあるので,送迎等の条件面の検討や,住民の意向調査等をふまえ,活動の拡大方法を探る必要があるだろう。同時に,活動の担い手,継承者の確保も課題になっている。また,あったかふれあいセンターに着手する場合も含め,住民の活動拠点の整備も必要であろう。地域を越えた支援や家族関係の再構築が必要な状況も生まれている。自給自足するにも,野菜を作るのも難しくなっている世帯や地域も生まれており,大豊町のゆとりファームのような援農システム(前稿)によって人的支援するネットワークを構築することも課題となる。町外に出た家族が町内在住高齢者に対して疎遠になっている状況も見られるが,ふるさと納税・基金のような形で,せめて財政面で町の生活支援施策に協力してもらうなり,空き家を地域の拠点づくりに提供・貸与してもらうなり,応分の負担,寄与が求められうる。年に何度かでも,家族との交流の機会を用意し,呼びかける企画があってもよい。その一方で,介護U ターンも見られるようなので,家族介護が行き詰まらないような支援も必要である。区長がいなくなった地域や,民生委員が複数の地域を担当している場合もある。集落の自主的再編も考えられるが,それが難しいとすれば,Iターンなどにより地域外からの移入促進を図るなど,地域を越えた支援方向も検討の余地がある。大豊町と同様,介護保険事業(訪問介護)の経営が厳しい状況にあり,介護人材不足の問題も発生している。町の補助もおこなわれているが,中山間地等の条件不利地域に配慮した国の制度改革や県の独自施策も求められる。他方で,認知症高齢者等を地域で見守り,支えてゆくための「シルバーボランティア」の養成もおこなわれており,地域福祉ベースでの積極的な取り組みとして,その活躍が期待される。要援護高齢者への対応だけでなく,元気高齢者の活躍の場を創出してゆくことは重要であるが,その点で,旧・池川町時代からの取り組みである「高齢者生産活動センター」は,県内で唯一のユニークな取り組みとして注目される。仕事起こし,高齢者の生きがいと生活収入の確保,地域活性化など,多面的な