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92 高知論叢 第101号Ⅲ 阿智村社会福祉協議会の取り組み阿智村の高齢者生活支援における介護保険・介護予防事業の取り組みや,それ以外の地域福祉の取り組みを進めている阿智村社会福祉協議会から,その現状をたず....

92 高知論叢 第101号Ⅲ 阿智村社会福祉協議会の取り組み阿智村の高齢者生活支援における介護保険・介護予防事業の取り組みや,それ以外の地域福祉の取り組みを進めている阿智村社会福祉協議会から,その現状をたずねた(2010年1月12日)。以下は,その聞き取り調査結果である[13]。阿智村の高齢者人口は1,860名で,高齢化率28.8%となっているが(2009年1月1日現在),要介護・要支援認定高齢者数は366名となっている(2008年12月末現在)。要介護3以上の割合が高いが(57.1%),要介護原因は,脳血管疾患,認知症,衰弱の順に多くなっている。自分の健康に対する関心が薄く,健診の受診率も県下で低く,消極的であるので,2009年から受診率向上を重点化している。介護保険財政も,今のところ大丈夫であるが,徐々に厳しくなっており,村や県の持ち出しが多くなるだろう。阿智村の第4期(2009~2011年度)の基準介護保険料月額は4,260円となっている。標準的には,実際の保険料負担は,所得に応じて基準保険料の0.5倍から1.5倍までの6段階に分けられるが,阿智村は独自に第7段階(基準保険料の1.75倍)を設定し,相対的に高所得の高齢者により多くの負担をしてもらう形をとっている。居宅要介護高齢者の介護者に対する調査によれば,「短期入所等の一時的入所サービスの充実」を求める声が半数からあがり,最も高いニーズとなっている。現在,ショートステイ専用床として,介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)6床,重度身体障害者施設4床,介護老人保健施設5床があるが,ショートステイがロング化しており(通常は2週間であるが,3ヶ月),ショートステイが緊急時に使えなくなっている。介護老人福祉施設のショートステイ以外の入所(60床)でも,3年程度の待機期間が必要になっている。村長への諮問機関として,阿智村独自の「保健福祉審議会」が2009年6月に設置されており,高齢者福祉分科会,障害者福祉分科会,児童福祉分科会,保健医療分科会に分かれているが,高齢者福祉分科会では,介護老人福祉施設の増床が検討されている。2006年度以降,施設サービスの給付費より,デイサービス,ホームヘルプなどの居宅サービスの給付費の方が逆転して多くなっており,とくにデイサービスは,入浴をしたいというニーズが強く,村内4ヶ所で実施されているが,稼働率が7割から9割へと高まっている。