101号

101号 page 98/162

電子ブックを開く

このページは 101号 の電子ブックに掲載されている98ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると今すぐ対象ページへ移動します。

概要:
96 高知論叢 第101号Ⅳ 阿智村内集落における生活課題と取り組み   ― 住民聞き取り調査をふまえて ―阿智村内で,世帯が10~20程度で,主体的な意識をもって特徴的な取り組みをされてきた集落を対象に,住民の....

96 高知論叢 第101号Ⅳ 阿智村内集落における生活課題と取り組み   ― 住民聞き取り調査をふまえて ―阿智村内で,世帯が10~20程度で,主体的な意識をもって特徴的な取り組みをされてきた集落を対象に,住民の方々に集まっていただき,高齢者の生活実態と地域での取り組み,行政支援上の課題をうかがった。阿智村役場協働活動推進課の協力を得て,B集落とC集落の2つの集落を調査対象に選んだ。インタビュー調査項目としては,①高齢者の生活実態(世帯,就労,健康,家族,地域交流,介護保険,保健福祉),②生活課題(水,移動,買い物,介護予防,健康づくり,共同生活機能),③地域の良いところ,④住民による地域づくりの特徴的な取り組み,⑤行政支援上の課題,の5点である。1.B集落における生活課題と取り組みB集落では,部落長(昭和18年生まれ)と,任意参加してくださった住民2名(88歳と78歳),計3名から聞き取り調査をおこなったが(2010年1月11日),その結果は以下の通りである。B集落は,11世帯からなる。独居高齢者世帯は4世帯,高齢夫婦世帯が6世帯,6人家族世帯が1世帯,という状況である。就労は,稲作2世帯,高原とうもろこし(商品用)作り2世帯であるが,その他に,高原とうもろこしや野菜を自家消費用に作っている世帯がある。仕事ができるかどうかは,自分の健康状態による。3㎞ほど先の役場支所近くに診療所があるが,通院しているのは5人程度である。近所づきあいは盛んであり,作った農作物をあげたりする。買い物は,自家用車またはバスを利用したり,子どもに乗せてもらったり,農協が週に一度配達してくれたりするので,買い物や移動は困っていない。ただし,免許をもたない独居高齢者が二人おり,村営バスに乗るか,自ら歩行している。村営バスは,朝・昼・夕の3回,運行している。現在は,要介護認定を受けている人は一人もおらず,入院している人も一人もいない状況である。保険外の保健福祉活動の取り組みとしては,「B(集落)サロン」が開催されている。ここのサロンは,阿智村で最も早く,合併してか