高知論叢102号

高知論叢102号 page 101/222

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限界集落における孤立高齢者への生活支援(下) 99あいセンター」の取り組み,高知県土佐町相川地区の若い世代をも巻き込んだ地域づくりの特徴分析をおこなう。それらをふまえて,次稿では,限界集落で地域的に孤立....

限界集落における孤立高齢者への生活支援(下) 99あいセンター」の取り組み,高知県土佐町相川地区の若い世代をも巻き込んだ地域づくりの特徴分析をおこなう。それらをふまえて,次稿では,限界集落で地域的に孤立した高齢者の生活支援システムのあり方を考察し,持続可能な生活に向けた総合的な支援モデルの方向を提示する予定である。なお,本研究は,平成20~22年度科学研究費補助金(基盤研究(C))課題番号20530526,研究課題名「限界集落における高齢者の孤立問題と行政・地域社会の支援機能に関する実証分析」による研究成果の一部であり,田中きよむ(研究代表者,高知県立大学社会福祉学部教授),玉里恵美子(高知大学総合教育センター准教授),霜田博史(高知大学人文学部准教授),水谷利亮(高知短期大学社会科学科准教授(当時,現・下関市立大学経済学部教授))の共同研究である。本稿の執筆分担は,田中きよむ(はじめに,第4章Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ,第5章Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ,おわりに),霜田博史(第4章Ⅰ・Ⅱ,第5章Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ)である。第4章 高知県内の少数世帯集落における高齢者の生活実態と   支援課題本章では,2008,2009年度に続く追調査として,限界集落における高齢者の生活実態と支援課題を明らかにする目的でおこなった調査結果を示す。3つの市町村・地域を対象にして,今回はとくに数世帯に減少してきている世帯を行政や社会福祉協議会の協力を得ながら抽出し,個別訪問調査をおこなった。調査項目は,インタビューガイドに則して,集落の生活状況(世帯や地理的特徴,家族との関係,就労や居住環境,移動状況やライフライン,福祉・医療サービス等の利用状況,通信,鳥獣被害など),集落の活動(地域の役員等,共同作業,近所づきあいや支えあい活動),暮らしのうえでの悩みや楽しいこと,地域に住み続ける思い,そのために行政に求めることや地域でできること,集落の今後,等について,半構造化面接をおこなった。