高知論叢102号

高知論叢102号 page 102/222

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100 高知論叢 第102号Ⅰ 香美市物部町香美市物部町内のA集落(3世帯集落)とB集落(2世帯集落)から聞き取り調査をおこなった(2010年8月19日)。以下に,その調査結果を示す。(1) A集落聞き取り対象:A....

100 高知論叢 第102号Ⅰ 香美市物部町香美市物部町内のA集落(3世帯集落)とB集落(2世帯集落)から聞き取り調査をおこなった(2010年8月19日)。以下に,その調査結果を示す。(1) A集落聞き取り対象:Aさん(男性60代),Bさん(女性80代)この集落では,3世帯3人(独居)であり,Aさん,Bさん以外に,もう一人(60歳くらい)が暮らしている。昔は13世帯あった。市から補助事業を受けるためにAさんが区長になっている。Aさんには家族はいない。香美市内の町外に姪がいる。移動にはトラックとスクーターを利用している。Bさんは,送迎つきのリハビリに通っている。月に一回,眼科に行くが,往きはバス停まで1㎞弱,20分ほど歩いてバスに乗る。歩いて帰るのは大変なので,夏にはあまり外に出ない。できるだけ送迎のバスを利用するようにしている。帰りは子が乗せてくれたりということもある。香美市内の町外に娘さん夫婦がいる。孫をお盆に連れ帰ってきてくれる。集会所など,公的施設は以前からない。集まりがある時は区長の家を利用している。水は谷から引いてくる。今はまとめて引いているが,以前は個人で引いていた。水源が枯れることはないが,水源が遠いのが難点である。電気は,台風が来たとしても今は止まることはない。電話は,固定・携帯の両方が使える。鳥獣被害については,鹿,猪,ハクビシンが出る。柵を作るために,農水省の補助を元に市が上限5万円の補助をしてくれる。柵を作ることで多少,鳥獣被害が緩和された。ネットに鹿が絡まったりすると,耳だけ役場に持っていく。そうするとお金になる。残りは欲しい人にあげたり,犬のえさにする。近くの温泉では,鹿を取ってから2時間以内に持っていかないと買い取ってくれない。Aさんは田・畑をやっている。全部で1丁ほど,個人で売りに出している。メインはゆずを出している。Bさんも家庭菜園を約3畝ほどの広さでやっており,夏は暑いのでやらないが,涼しくなってきたら始める(大根,トマト,ゴーヤなど多種類作るが,自家消費用である)。