高知論叢102号

高知論叢102号 page 103/222

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限界集落における孤立高齢者への生活支援(下) 101ごみの収集は,缶だけは出しているが,分別ゴミは県道まで持っていかないといけない。その他は燃やしたり畑処理している。収集車が集落まで来てくれない。地すべり....

限界集落における孤立高齢者への生活支援(下) 101ごみの収集は,缶だけは出しているが,分別ゴミは県道まで持っていかないといけない。その他は燃やしたり畑処理している。収集車が集落まで来てくれない。地すべりは,下の方は悪いが,どうしようもない。買い物は,Aさんは,週に1回は市内の別の町まで出て行く。町内では,あまり買い物はしない。町内で買う時は,保存できるものを買う。Bさんは,子(市内の町外にいる娘)が買ってきてくれる。その他,リハビリに送迎バスで出て行く時,病院に行く時などについでに済ませる。送迎バスは朝に出て行くので,帰りに時間があれば町外で買い物を済ませる。県道までは移動スーパーが着てくれるが,ここまでは上がってくれない。もう一人との付き合いは,1㎞ほど離れているのであまり会わない。民生委員が見ているのではないか。民生委員は,この地区ともう一つの地区を一人が担当しており,75歳以上の独居高齢者を見ているが,来るか来ないかという程度である。役場の人は,2ヶ月に1回来る程度である。保健師は時々来ていたが,今はあまり来ない。社協からは印刷物が来るぐらいである。集落の活動は,3人で集まってやることはほとんどない。氏神様の掃除(11月)は3人でやる。集落外から氏子として来てくれる人もいる。神祭は秋だけにおこなう。世帯数の減少でお金を出せなくなったので,神官さんは呼んでいない。道の草刈などは,個人でやっており,家の周りはできるが,その他は難しい。そうはいっても,いろんなことを自分たちだけでやらなければならない。AさんとBさんが直接会うペースは必要な時であり,それ以外は電話で済ませている。心配なことは,今はあまりない。火の心配ができる限りは,この地区を出て行きたいとは思わない。将来のために,林道を伸ばしてつなぐことはしておきたいが,地元を出た土地所有者が土地を提供してくれない。3人になって寂しいと思うことは特にない。慣れているから。むしろ,怖いのは知らない人であり,都会にいるほうが大変だと思う。以前風呂屋をしていた人がいたのでバス停の名前が「温泉前」になっている。それを見て道を間違ってくる人もたまにいる。頼りにしている人は,Aさんは市内町外にいる姪であり,Bさんは市内町外