高知論叢102号

高知論叢102号 page 105/222

電子ブックを開く

このページは 高知論叢102号 の電子ブックに掲載されている105ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると今すぐ対象ページへ移動します。

概要:
限界集落における孤立高齢者への生活支援(下) 1036年くらいである。Aさんは,市内町外の病院に通院しているという状況である。行政に求めることとしては,道を舗装する原材料を求めたことがあった(行政は舗装し....

限界集落における孤立高齢者への生活支援(下) 1036年くらいである。Aさんは,市内町外の病院に通院しているという状況である。行政に求めることとしては,道を舗装する原材料を求めたことがあった(行政は舗装してくれない)。合併した影響は,今のところ特に感じない。将来は行政機能が縮小してゆくだろうと思っている。今のところは市が小集落に対して努力してくれており,支所が残っているという意味は大きい。3人で今後できることは,もうない。水源も人に頼んでみてもらっている。隣の集落との間では,中山間地の協定を組んでおり(道の管理を一緒にやったりもしている),個人的な支えあいの関係はある。集落再編(合併)はないだろうし,こちらは小さいので組み入れてもらえないだろう。一緒になるには,移住するしかない。2人とも国民年金なので,高齢者住宅に入るにも負担が大きい。敬老会はやっていない。(2) B集落1)Cさん(男性,70代独居,2世帯のうちの1世帯)集落の状況は,現在2世帯であるが,多い時は6世帯くらい(昭和50年代くらいまで),最も多い昔は13世帯あった。区長はいない。物部支所まで車で1時間,安芸市までも車で1時間の距離にある。生活状況としては,車は運転しないのでタクシーを使う。支所まで1回往復1万5~6千円かかる。買い物は安芸市でする(月1~2回)。病院は香美市内の別の町に行く(月1回)。収入は国民年金のみである。もともと集落で畑作をしていた。林業関係の仕事もやっていた。水は特に困っておらず,山から一軒ごとに引いている。水源は山のほうへ300mくらいのところにあり,自分で見に行く。台風時に電気が停まることはあるが,直してもらえる。電話は固定電話のみであり,携帯電話は通じない。鳥獣被害としては,猿や鹿が来る。農業は,自家消費用の野菜を作っている(菜っ葉,大根,きゅうりなど)が,自給できるほどではない。ごみは,ある程度ためて自分で焼くか,缶類は埋める。収集には来てくれない。落石や地滑りがあるが,道路の土砂崩れがあると困る。