高知論叢102号

高知論叢102号 page 108/222

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106 高知論叢 第102号いるが,鹿による被害がある。秋には大根や白菜を作っている。生活収入は国民年金のみである。買い物は月3回くらい,安芸市内で買い物をする。町内では店がなくなってきたし,距離はあるが安....

106 高知論叢 第102号いるが,鹿による被害がある。秋には大根や白菜を作っている。生活収入は国民年金のみである。買い物は月3回くらい,安芸市内で買い物をする。町内では店がなくなってきたし,距離はあるが安芸のほうが道が良く,行きやすい。役場本所まで車で片道1時間半かかる(通常の用事は町内の支所まで,特別の場合は本所まで行く)。移動は自家用車で行うが,運転することに不安はまだない。一番困っていることは道のことであり,雨が降ると通れなくなる(復旧に1週間くらいかかる)。草刈りは自分で家の回りをしている。ごみも困っている。焼ける物はいいが,ビンと缶の処理に困る。自分の土地にまとめて捨てている。民生委員は一年に数回来る。役場の人(保健師)はたまに来てくれる。保健師もたまに来る。Cさんとの関係は,二人しかいないので,どちらかが欠けたら難しい。心細いということはないが,地震の時は困るかもしれない。緊急の時は子どもに連絡するが,来るのに1時間くらいかかる。役場に連絡する用意もしている。ただ,電話をする時は補聴器では聞こえにくいので困る。将来,息子のところへ行く可能性は,寝たきりになったらあるかもしれない。あるいは施設に行くかもしれない。一番頼りにしているのは息子だが,息子の妻は亡くなっており,一緒に住むのは,仕事勤めがあるので,食事の面で難しいと思う。今は,自炊している。楽しみは特にない。魚釣りや狩猟等をしていたこともあったが,今はしていない。テレビはよく見る。住居に関して,もう古くはなっているが,自分で天井の雨漏りは直した。トイレについては,くみ取りを自分でやっている(山に運ぶ)。風呂は困っていない。新聞は取っていない。郵便局は,町内から安芸に管轄が変わった。畑作業は,鹿と猿に食べられてしまうので,夏は作らない。秋になれば作る(大根,白菜など)が,全て自家消費用である。元気なうちは,この集落に暮らし続けたい。今から,街に下りていっても,別の地域の高齢者となじむのは難しい。山と街では生活習慣が違うし,自分は酒を飲まないから付き合いも難しい。他の集落とは,離れすぎていて会うこともあまりない。