高知論叢102号

高知論叢102号 page 109/222

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限界集落における孤立高齢者への生活支援(下) 107合併してからの変化は,得になったことはなく,次第に捨てられたような感じになっている。選挙が地区でできなくなったので,支所まで行っている。行政に期待するこ....

限界集落における孤立高齢者への生活支援(下) 107合併してからの変化は,得になったことはなく,次第に捨てられたような感じになっている。選挙が地区でできなくなったので,支所まで行っている。行政に期待することは,無理を言うと迷惑になりそうで言えないが,道路の管理は何とかして欲しい(道路が通行できるよう,捨てないでほしい)。集落はなくなると思うが,800年の昔から続く寺が二つあるので,その保管が心配であり,自治体で保管してほしい。Ⅱ 中土佐町大野見地区中土佐町大野見地区内のC集落(16世帯集落),D集落(1世帯集落),E集落(3世帯集落),F集落(3世帯集落)から聞き取り調査をおこなった(2010年9月3日)。以下に,その調査結果を示す。(1) C集落聞き取り対象:Eさん(70代男性,夫婦世帯,16世帯集落のうちの1世帯)小学校・中学校ともに大野見に通っていた。C集落には結婚で昭和30年代に来た(当時は,30世帯くらいあった)。家族構成は,妻(自営)と二人暮らしである。子どもが三人おり,県外に二人,県内他市に一人住んでいるが,県内在住の娘は盆休みにやってくる。子どもが戻ってくることはないだろう。仕事は役場で公務員をしていたが,それ以降は農業をやっており(全て自家消費用),稲作の他,畑ではカボチャ,ナス,きゅうり,ピーマン,ししとうなどを作っている。その他の買い物は,地区外や町内でする。車の運転をするので,高知市内まで出ることもある。集落の状況は,現在16世帯であり,大野見北地区(5集落)では,最も世帯数が少ない集落である。大野見庁舎まで車で5分,中土佐庁舎までは車で20分の距離にある。公共共通として,バス(K観光)が来ている。高齢者には補助を出す方向で町長が検討している。以前は別のバス会社からも来ていたが,今は来なくなった。タクシー業者は大野見村地区内にはない。水道は,町営の簡易水道を利用しており,管理は町が全部してくれる。電話は,固定,携帯の両方使う。鳥獣被害は,いのししが出る。トタンなどで囲っ