高知論叢102号

高知論叢102号 page 111/222

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限界集落における孤立高齢者への生活支援(下) 109手入れ,県道沿いの草刈り,視察研修などをしている。老人クラブは二つの集落だけで構成し,会員数35名であるが,役員のなり手がいなくて困っている(任期は2年)....

限界集落における孤立高齢者への生活支援(下) 109手入れ,県道沿いの草刈り,視察研修などをしている。老人クラブは二つの集落だけで構成し,会員数35名であるが,役員のなり手がいなくて困っている(任期は2年)。神祭は夏・秋の2回おこなっている。集落に小中学生はいるが,大野見小・中学校まで通っている。緊急時の支えあいとしては,「とうま組」という仕組みがあり,葬式や火葬場に行くまでの準備をみんなでやる。I ターンの受け入れは,積極的というほどではないが(現在は1名),北地区としては受け入れる意思は比較的ある。しかし,家主が貸してもよいと言っている物件が一つしかない。空き家は多いが,年に1~2回帰ってくるから,貸すための片づけが面倒,などの理由で貸すのが難しい。婦人会に,「森の宮を守る会」というのがあり,いろんなボランティアをやっている。Eさんの暮らしについては,住居で不便なことは特にない。情報は,新聞,テレビなどから得ている。農業だけでは食べられない。兼業が必要であるが,米だけで生活するなら,最低7丁の田を作る必要がある。自分の農地をいつまでも維持できないので,手放すことなどを考えざるをえない。中土佐町内で兼業でやってくれる人がいればよいのだが。午前中は仕事,午後は老人クラブのゲートボールやグランドゴルフをやったりする。5人のチームであるが,全部で10人くらい集まる。健康面で今は特に困っていることはない。血圧の薬は飲んでいるが,80歳くらいまでは特に困ることはないのではないかと思っている。80歳を過ぎれば,運転の不安が出てくるだろう。集落は,一人亡くなれば一軒なくなっていく,というような状態であり,一世帯だけ,子どもが三人いる(北地区の中で,C集落は最も高齢化率が高い)。困った時は,隣の人との付き合いで何とかする。ここで住み続けたいという気持ちはあるが,県内の別の市のマンションに出資して確保してある。集落の今後に関して,行政への期待は,特にない。地域で取り組んでいかなければならないと思うことは,地域の人が声を掛け合って,相互に支えあっていくことである。地域の今後については,UターンやIターンでも良いし,若い人が入ってこれるようになってほしい。仕事場を作り,受け入れ体制づくりを進めていく必要がある。北地区振興会ができているので,