高知論叢102号

高知論叢102号 page 112/222

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110 高知論叢 第102号他の集落との関係・協力は比較的できている。ある集落は男性の一人暮らしが何人かおり,少し心配だ。なかなか老人クラブにも入ってくれない。集落がなくなることへの不安はある。若者が増えるよ....

110 高知論叢 第102号他の集落との関係・協力は比較的できている。ある集落は男性の一人暮らしが何人かおり,少し心配だ。なかなか老人クラブにも入ってくれない。集落がなくなることへの不安はある。若者が増えるような集落になってほしい。旧・中土佐町との合併については,合併してよかったと思っている。旧・大野見村だけではやっていけないから。合併して不便になったという感覚はない。集落がなくなることへの不安はある。(2) D集落聞き取り対象:Fさん夫妻(50代男性Fさん,60代女性Gさん,1世帯集落)Fさんは県外生まれ,職業は画家であり,普段は工場へ働きに出ている。Gさんは,元看護師であったが,今は働いていない。絵を描くことが趣味である。子どもはいない。1990年代後半にD集落へ移住してきた。緑の多いところで創作活動がしたいと思っていたところ,友人に四万十川流域を勧められた。当時の大野見村長が誘ってくれた。最初は借家だったが,今の場所を改築して引っ越した。来る時には集落には誰もいなかった。もともと住んでいた人が出て行くというので,譲ってもらった。まわりの田は,元の持ち主の長男さんが作っている。車は二台,Fさん,Gさんがそれぞれもっている。公共交通機関は来ていない。買い物は,小さいものは大野見の地区内で,買い出しは地区外,町外に行く。水は川向こうの谷川から自分で引いたため,維持管理の必要がある。そのためにトロッコを作ったが,今後,川を渡って維持管理できるかどうかが,この地区でやっていけるかどうかの分かれ目になる。固定電話を利用しており,携帯は圏外である。道の舗装が1年前までされていなかった。畑は作っていたが,ここ1~2年でいのししが出るようになった。Fさんは,ふだんはミシン加工のアルバイトをしている。ごみの処理は,車で10~15分のところにある集落付近にごみ収集場がある。災害に対する不安がある。ある程度下準備しているが,台風が来る時には役場から注意が来たりする。落石がある場合,危険地区に指定されていないため,陸の孤島になる。豪雨の後,落石の危険が高まる。電気が台風で一日切れたこともある。