高知論叢102号

高知論叢102号 page 114/222

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112 高知論叢 第102号ら月に2~3回やってくるが,集落に戻ってくることはないと思う。集落・生活の状況としては,車で移動している。移動,水,電気に関して特に困っていない。携帯は通じない。仕事は農林業で,....

112 高知論叢 第102号ら月に2~3回やってくるが,集落に戻ってくることはないと思う。集落・生活の状況としては,車で移動している。移動,水,電気に関して特に困っていない。携帯は通じない。仕事は農林業で,稲作と生姜づくりをしている。鹿,猪,ハクビシンによる茄子,梨,柿の鳥獣被害が大きい。対策はしているが大変な状況にある。ごみ収集はこない。自分で下のほうへ持っていく。災害は特に不安ない。買い物は,時間があれば町外へ出かけるが,特に困っていない。民生委員は来ない。この集落の最高齢は80歳であり,送迎付きのデイサービスを利用している。困っていることは,今のところ特にない。孤立している人は,特にいない。下の集落の人とも,よく顔を合わせる。むしろ,大野見の人であれば大体知っている。集落で共同してやっていることとしては,別の集落の一部と合わせて2集落8世帯で水路管理,生活道の草刈りを含め,農業の助け合いをおこなっている。E集落から2世帯,別の集落から6世帯参加している。神祭は夏,秋の2回,この集落2世帯でやっている。その他,春に龍王様のお祭りを,2集落共同でやっている。近所づきあいは,集落内,集落間ともによい。たいてい毎日,誰かと会う。祝い事も,集落内や集落間でおこなっている。集落としては独立して,協力する方向で行きたい。以前からずっと,集落間で協力してきた。集落の今後について,寂しさはとくに感じない。逆に,楽しさもとくに感じない。足腰が立つ限り,ここで暮らし続けたいが,断言はできない。安心して暮らし続けるためには,道は自分たちで開いたので,復旧工事を続けてほしい。この集落は今後,人口はとくに増えないだろう。市町村合併による変化は,所帯(自治体の規模)が大きくなると,陽の当たらない所も出てきた。実際,広くなったので,道の補修がすぐには対応できなくなった。5年単位,8世帯単位で中山間地域直接支払い制度をやっている。5年後には83歳という人もいるが,若い人もいるので,助け合い,限界も含めて,話し合っていきたい。農地を荒らさないようにするため,共同で農作業をすることも考えている。ただ,年齢的に5年後も続けられるかどうか。自分の所を置いておいて,他の人の所に行けるほど余裕がない。