高知論叢102号

高知論叢102号 page 115/222

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限界集落における孤立高齢者への生活支援(下) 113(4) F集落聞き取り対象:Iさん(90代男性,3世帯集落の1世帯)大野見地区の近年の出生児数は年間一桁台が多く,死亡者数は20~30人台で推移している。昭和30....

限界集落における孤立高齢者への生活支援(下) 113(4) F集落聞き取り対象:Iさん(90代男性,3世帯集落の1世帯)大野見地区の近年の出生児数は年間一桁台が多く,死亡者数は20~30人台で推移している。昭和30年代に比べ最近1~2年は,小中学生の人口は10分の1以下,人口は2分の1以下に減少してきている。「寂しくなった」,「どうなるだろう(消えやしないか)」ということが,老人会でいつも話題になる。行事をやるにしても,村人(旧大野見村)の心がバラバラになった。田役等,仲良くしないといけない。農業が機械化してから変わった。住みにくくなったから,人が減った。30年前までは林業で成り立っていたが,外材,外米の影響で農林業が衰退した。稲作は耕耘機,刈り取り機を購入しなければならないが,大野見は平均7~8反だと思う。野菜は,甘藷,たいも,かぼちゃ,春菊,大根,キャベツ,白菜,ブロッコリーなど,自家消費用として作っている。子どもや孫に送るのが楽しみで作っている。畑は約20アール(2反)で,体力がなくなると,1時間くらいの作業になるが,やがてできなくなるだろう。県内の子どもは週1回くらいやって来るが,県外の子は年2回ぐらいである。妻は他市で入院しており,娘が見舞いに図表6 中土佐町大野見地区調査 ②