高知論叢102号

高知論叢102号 page 124/222

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122 高知論叢 第102号いるので,横のつながりができるようになった。他の地域にはない強みだと思う。案繰り部会としては,空き校舎の活用を誰がやるかが問題である。ハードは町が整備してくれても,町民の意識が支....

122 高知論叢 第102号いるので,横のつながりができるようになった。他の地域にはない強みだと思う。案繰り部会としては,空き校舎の活用を誰がやるかが問題である。ハードは町が整備してくれても,町民の意識が支えあいへと変わっていかなければいけない。若い人に来てもらって,活用の仕方について刺激を与えてほしい。特に,家庭でみられない高齢者を今後どのようにみていくのか。あったかふれあいセンター以外の活用方法も考えていきたい(他市町村,他地域などにも視察へ行っている)。行政の集落支援員制度は非常に助かっている。同制度を実施している所は少ないが,ぜひ続けてほしい。Ⅱ 北川村の取り組み限界集落における高齢者の生活支援の方向を考えるうえで,北川村において高齢者の見守り活動や,住民主体のあったかふれあいセンターづくりに取り組んでいる北川村社会福祉協議会に聞き取り調査をおこなった(2011年2月23日)。以下に,その結果を示す。(1) 北川村の地域特性と高齢者の生活問題北川村の小規模集落には,1世帯2人(息子と高齢の母)という集落がある。草刈等の道整備は建設会社に村から有料で委託している。改良区が田役などをやってくれるが,住民だけでやるのは難しい。他にも,1世帯2人(車を運転できる)という集落がある。北川村では,すでに限界集落を通り越して,集落消滅へと向かっている地域もある(北川村は人口1470人,高齢化率38.8%)。村内の高齢者が抱える問題としては,交通(バス)が問題である(通院,買い物などに利用される)。2月15日からデマンド運行に移行した。前日予約制で,村内どこにでも行くが,バス停までしか来ない。電話をしないと動かない仕組みであるから,電話が億劫な人には使いにくくなるなど,住民の利便性の点で変わったわけではない。バス停までが遠い集落があり,バス停まで行けない人もいるから,家の前までバスが行ってもらえるように村に要望している。病院にいくために,年6万円のタクシーチケット(1回5千円まで)がある。住民課が実施主体であり,公共交通を利用できない人を対象にしている