高知論叢102号

高知論叢102号 page 125/222

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限界集落における孤立高齢者への生活支援(下) 123が,少々足が悪いくらいでは支給されず,かなり身体に障害が出ていないと支給されない。また,バス停の近い南部地区の人はもらえない。タクシーチケット配布に関し....

限界集落における孤立高齢者への生活支援(下) 123が,少々足が悪いくらいでは支給されず,かなり身体に障害が出ていないと支給されない。また,バス停の近い南部地区の人はもらえない。タクシーチケット配布に関しては,外出支援の要綱が村で決まっており,かなり厳しい。その他,デマンドバスが走るまでは総務課の福祉タクシーもあったが,今はやっていない。タクシー代は,たとえば一番奥の集落から医療機関のある田野町までであれば,片道5千円以上かかってしまう。村内には診療所がなく,ずっと無医村である。したがって,病院にかかるときは近隣の町などに出て行く必要がある。社協の移動サービスは,緊急の場合に無料で行なっている(車イスの人とか,移動に困難を抱える人など)。(2) 高齢者の一人暮らし見守り活動について民生委員11名,主任児童委員2名,そのほかに福祉協力員が56名で高齢者の見守り活動をおこなっている。福祉協力員は「みまわりさん」と呼ばれ,住民に関して気づいたことを民生委員や社協と情報交換してくれる(郵便物がたまっている,家の灯りが点かない,最近見かけない,認知症で自分の車がわからなくなった,等)。ひとり暮らし高齢者世帯を見守り,何かあったら社協や民生委員に情報が入る。月1回の民協の定例会で情報共有している。介護制度が利用者との契約になったことで,社協に情報が入りにくくなっており,ケアマネにも情報提供を求めるようにしている。「出前相談」による生活状態の聞き取り活動は10年以上前から続けている。社協と民生委員で訪問する。住民の要望を聞いて,近隣の町までバスが行くようになったり,危険な所にフェンスをつくったりという成果につながっている。要望がでれば,その都度役場に要望し,その都度回答をもらうようにしている。言いっぱなしではダメで,具体的な対応をしてもらうことが必要である(たとえば,保健師につないだときに,対応をちゃんとしてくれるかどうか)。現在,北川村には,駐在保健師が1名おり,各地域を訪問しているが,本人にとっては年1回の訪問を受けることになり,民生委員とみまわりさんから月1回の訪問を受けている。訪問する際は,事前に伝えておく。その他の見守り活動としては,配食サービス(週1回,ひとり暮らし高齢者