高知論叢102号

高知論叢102号 page 129/222

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限界集落における孤立高齢者への生活支援(下) 127  C集落:72世帯218人,高齢化率33.9%,1世帯あたり3.03人  D集落:54世帯160人,高齢化率37.5%,1世帯あたり2.96人  土佐町全体:2038世帯4511人,高....

限界集落における孤立高齢者への生活支援(下) 127  C集落:72世帯218人,高齢化率33.9%,1世帯あたり3.03人  D集落:54世帯160人,高齢化率37.5%,1世帯あたり2.96人  土佐町全体:2038世帯4511人,高齢化率40.2%,1世帯あたり2.21人 相川地区は1世帯あたりの人数が多いのが特徴となっている(小学生は33人)。地区の仕事は,農業主体から兼業主体になってきた。相川米(韮生米,仁井田米とともに,おいしい県内三大米といわれる)の産地である。若い世代は農業に従事する他,会社等の勤め人もいる。比較的生産基盤がある地域である。他地区より田も多い。独居老人はほとんどおらず,相川地区では1人のみである。生活保護世帯もいない。家族と一緒にいるという地域性があるのかもしれない。昔から,この地域は後継者を育てる,と言われた。4集落全体を指して,「古奈川」とも呼ぶ(近くを流れる川の名前)。「相川地区」も同じ地域の範囲であり,「相川」は地理的な名前である。(2) 相川地区の地域活動昭和40年頃には,後継者を作っていこうという意識が地域にあった。戦後から,地域の世代別集まりが始まる。15歳間隔くらいで,「おしどり会(85歳以上)」,「若あゆ会」,「こまどりの会」,「はっぱ会(1988年会)」,「ふれんど」,「南天会」,「やる気会(独身者)」ができてきた。おしどり会以外は,現在も活動が継続している。集まりの活動があるので,あまり孤立しないようになっているし,地域に溶け込みやすくなっているのではないかと思われる。世代別の集まりの活動内容は,主に親睦である。飲みながら交流する。夫婦で飲みに回ったことで始まった「おしどり会」が先駆けである。その他,日帰り旅行や忘年会・新年会,運動会は会を超えておこなう。年に4~5回おこなわれ,だいたい夫婦で参加する。地域の90%は加入している。会費は,会によって異なるが,「こまどりの会」の場合,夫婦で年2万円となっている。「やる気会」の場合,餅つきや祭りの時の焼き鳥などの事業収入があり,会費は取っていない。このような世代別の集まりは,他地区にはない。運動会,納涼会な