高知論叢102号

高知論叢102号 page 146/222

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144 高知論叢 第102号送用機器,輸送用機器部品」では低下傾向にある。以上より,主要2 産業の調達の問題に関して,「電気機械・電子機器,電気・電子部品」では,全産業では低下傾向が低かった「コスト」で低下傾....

144 高知論叢 第102号送用機器,輸送用機器部品」では低下傾向にある。以上より,主要2 産業の調達の問題に関して,「電気機械・電子機器,電気・電子部品」では,全産業では低下傾向が低かった「コスト」で低下傾向を示し,全産業では低下傾向にあった「納期」で横ばいあるいは上昇傾向が示されている。これは,「電気機械・電子機器,電気・電子部品」の調達がグローバル化の傾向にあり,より低いコストを達成する反面,納期については短縮が難しくなっていることを反映している可能性が考えられる。一方,「輸送用機器,輸送用機器部品」では,「品質」問題が高い水準にとどまり,「コスト」も低下傾向を示していない。これは,在中欧「輸送用機器,輸送用機器部品」企業が,調達において大きな問題を抱えて続けている現状を反映していると思われる(7)。(2)日本多国籍企業研究グループによる現地法人調査日本多国籍企業研究グループ(JMNESG)は,長年,日本企業の国際展開に伴う日本的生産システムの海外移転に関する調査研究を行っている。中欧についても,2003年に現地調査を実施し,その成果を公表している(8)。本稿では,この研究成果の中の現地調達に関する部分について検討する。JMNESG の調査研究の主要課題は,日本的生産システムの海外移転可能性を,「適用・適応」による「ハイブリッド」経営の展開状況に基づいて検討することである。そのための基本的な評価方法として,日本製造業企業の工場経営・生産現場における代表的要素23項目について,日本的システムが日本的特徴を維持して「適用」されているか,日本的システムが現地環境に応じて修正されて「適応」されているかを,5 段階で評価(最も「適用」的を5 と評価,最も「適応」的を1 と評価)している。また,これら23項目を,大きく6 グループに分類した「6 グループ評価」と,「ヒト・モノ」「方式・結果」の2 × 2 の基準で4 つの属性のグループに分類した「4 側面評価」を用いて分析を行っている(9)。JMNESGの調査研究において,調達は,23項目の中の「ローカル・コンテンツ」「調達先」「調達方法」の3 項目において,また6 グループ評価の中の「部品調達」において,分析が行われている。なお4側面評価では,「ローカル・コンテンツ」「調達先」が「モノ・結果」に,「調達方法」が「モノ・方式」に分類さ