高知論叢102号

高知論叢102号 page 148/222

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146 高知論叢 第102号国によって大きく異なっていることが指摘されており,「中欧の製造業の強み」を中欧地域の一般的特徴とすることには,やや困難があるように思われる。次に,在中欧日本企業の調達に関する「主....

146 高知論叢 第102号国によって大きく異なっていることが指摘されており,「中欧の製造業の強み」を中欧地域の一般的特徴とすることには,やや困難があるように思われる。次に,在中欧日本企業の調達に関する「主要2 産業の状況」について見てみよう。表12は,「電機」と「自動車」の適用度評価の結果を示したものである。「6グループ評価」の「部品調達」の適用度が低いという全体的な特徴は, 2 つの産業に共通している。しかし,より詳細な「23項目評価」に関しては, 2 つの産業は大きな違いを見せている。「電機」は,「中東欧全体」「自動車」と比較して,「ローカル・コンテンツ」「調達先」の適用度が低く,「調達方法」の適用度が高い。逆に「自動車」は,「中東欧全体」「電機」と比較して,「ローカル・コンテンツ」「調達先」の適用度が高く,「調達方法」の適用度が低い。すなわち,「電機」は,相対的にみて,現地調達率が高く,また現地企業ないし第3 国の非日系企業からの調達が進んでおり,さらに現地サプライヤーとの間で日本的調達方法が実現している傾向がある。「自動車」は,その逆であり,相対的に見て,現地調達率が低く,日本ないし現地日系企業からの調達に依存しており,また現地サプライヤーとの間で日本的調達方法が見られないという傾向が示されいている。「電機」に関するJMNESG の分析では,「ローカル・コンテンツ」「調達先」の適用度の低さの原因として,ユーロワン規制があったこと,部品を欧州域内で調達することが可能であったことをあげている。また,「電機」では「ローカル・コンテンツ」「調達先」の適用度の低さを,「調達方法」の適用度を高めることでバランスをとっているとしている。そして,「調達方法」(および「4側面評価」の「ヒト・方式」「モノ・方式」に含まれるその他の項目,具体的 表12 在中欧日本企業の適用度評価結果 〔産業別〕全 産 業電  機自動車部品Ⅲ 部品調達2.6 2.5 2.5〔11〕ローカル・コンテンツ2.2 2.0 2.3〔12〕調達先2.8 2.6 2.9〔13〕調達方法2.7 3.0 2.3(出所)苑(2006)p. 154,p. 248より作成