高知論叢102号

高知論叢102号 page 157/222

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中欧における日本電気機械企業の現地調達155② 現地調達部材の内容上述のように,調査対象となった電気機械企業において,「現地(進出国)調達率」は3 割に及ばず,比較的低い水準にとどまっている。しかし,さら....

中欧における日本電気機械企業の現地調達155② 現地調達部材の内容上述のように,調査対象となった電気機械企業において,「現地(進出国)調達率」は3 割に及ばず,比較的低い水準にとどまっている。しかし,さらに現地調達部材の内容について考慮すると,中欧における現地調達の進み具合はより低いものと言わざるを得ない。聞き取り調査では,表14にも記されているように,現地で調達する部材は,高い技術を必要としない特定の部材に限定されているというコメントが聞かれた。これは,次項で考察する現地サプライヤーの技術の低さを反映している。この問題に関しては,具体的には,次のような回答が聞かれた。「外装部材や箱モノはスロバキアで調達。しかしキーパーツは日本・中国から引かざるを得ない。現地調達できるのは汎用部品に限られる(在スロバキア映像機器企業)」「現地調達は,日系80%,欧米系15%,ハンガリー系2 ~ 3 %。ハンガリー系で使えるレベルは紙(段ボール)くらい。それさえ品質が悪い(ハンガリー自動車音響機器企業)」「現地調達は1 %未満で,梱包資材などのみに限られる(在ハンガリー自動車部品企業)(2)現地調達に関する問題聞き取り調査では,表14に記されているように,現地調達に関するさまざまな問題点が指摘されている。それらの問題点は,「現地サプライヤーの不在」「現地サプライヤーの技術の低さ」「現地サプライヤーの経営の考え方の問題(あるいは現地サプライヤーの考え方が日本企業と異なること)」という3 つの問題に分類することができる。① 現地サプライヤーの不在第1 に,そもそも中欧地域に調達をすることができるサプライヤーが非常に少ないという問題がある。この問題は,ジェトロ調査やJMNESG 調査でも触れられていたが,現地調達に関する基本的な問題である。国によって,また一