高知論叢102号

高知論叢102号 page 158/222

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156 高知論叢 第102号国内でも地域によって,あるいは産業によって状況は異なるが,産業発展めざましい中欧でも,部材サプライヤーの数はまだまだ不足している。具体的には,次のような回答が聞かれた。「ポーラン....

156 高知論叢 第102号国内でも地域によって,あるいは産業によって状況は異なるが,産業発展めざましい中欧でも,部材サプライヤーの数はまだまだ不足している。具体的には,次のような回答が聞かれた。「ポーランドの電機業界のすそ野が狭い。調達の大半は中国からであり,現地調達は梱包品などのみ。キャビネットなども中国から持ってきている。これを現地で調達したいができる企業がない(在ポーランド映像機器企業)」「元々は部品もチェコでの調達を計画していたが,部品サプライヤーが見つからなかった(在チェコ自動車電気部品企業)」② 現地サプライヤーの技術の低さ第2 に,サプライヤーとくに現地企業サプライヤーの技術が低いという問題がある。この問題は,ジェトロ調査やJMNESG 調査でも触れられていたが,現地調達を拡大するにあたっての最大の問題となっている。ただし,技術水準に関する問題に関しては,日本企業が顧客からの要求に応える必要があることもあり,現地サプライヤーに対しても非常に高いレベルの品質(日本国内では当然のレベルだが,現地では当然とされていないレベルの品質)を求めているという側面もある。具体的には,次のような回答が聞かれた。「現地企業は,品質が悪い。テストレベルで上手くいっても量産で問題が生ずることも多い(在ハンガリー自動車電気部品企業)」「当社が求める部品を生産できる技術力はハンガリー企業にない。現地調達に切り替えるためには時間が必要であるし,現地調達を進めた結果として問題が発生することが多い(在ハンガリー自動車電気部品企業)」「日系企業向け製品の部品はほとんど日系企業から調達している。当社の日系顧客はどんな部品を使っているか監査に入ってくるので,日系企業の部品を使っていないと監査に耐えられない(在ハンガリー映像機器企業)」「ハンガリー・EU からの調達はほとんどは日系企業から引かざるを得ない。当社製品は日系自動車メーカー対応スペックなので高品質が必要であり,部品も品質が重要(在ハンガリー自動車電気部品)」