高知論叢102号

高知論叢102号 page 161/222

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中欧における日本電気機械企業の現地調達159「JIT は,調達の数の問題もある。輸送費が高いので,バランスを考えて進める必要がある(在ポーランド映像機器企業)」「JIT はまだやっていない。今はJIT をしても現地....

中欧における日本電気機械企業の現地調達159「JIT は,調達の数の問題もある。輸送費が高いので,バランスを考えて進める必要がある(在ポーランド映像機器企業)」「JIT はまだやっていない。今はJIT をしても現地企業がついてくることができない。ただし今後はやりたいと考えている。というのは,当社は顧客との関係ではJIT で納入しているので(在チェコ情報機器部品・映像機器部品企業)」「JIT はできていない。当社の生産計画が不安定で生産が振れるので,JIT は難しい(在チェコ空調機器部品企業)」③ 技術指導技術指導に関しては, 6 社の企業が取り組んでいると回答していた。ただし,取り組んではいるが成果が出ていないと回答している企業もある。おそらく,多くの日本企業にとって,ここに踏み込めるかどうかが,現地調達の質的向上とそれにともなう取引拡大に関する最重要ポイントであると思われる。しかし,現地サプライヤーの生産・経営に直接に関与する問題だけに,そもそも受け入れられることが難しく,さらに実質的な成果を得るまでにはさまざまな困難が予想される。具体的には,次のような回答が聞かれた。「指導は,生産管理・品質管理について行っている。履歴を日常的に追いかけると歪み始めたのがいつかわかる。指導に入ることについては特に嫌がられてはおらず問題ない(在スロバキア映像機器企業)」「現地企業に指導している。現地企業も受け入れOK である。マザー工場のエキスパートを派遣してもらい,その人に行ってもらう。品質やコスト引き下げにつながった例もある(在チェコ自動車電気部品企業)」「日本なら下請けは改良提案を自主的にするのが当然だが,ここではできていない。そのため,当社から下請けの担当者に,納期・価格・品質の指導をしている(在ハンガリー電池企業)」「技術指導は必要。日本・中国・タイでどのように作っているか教えている。納入された部品をみてどう直すか話をしている。けれど成果は出ていない。しかし指導しないと使い物にならない(在チェコ空調機器部品企業)」