高知論叢102号

高知論叢102号 page 167/222

電子ブックを開く

このページは 高知論叢102号 の電子ブックに掲載されている167ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「電子ブックを開く」をクリックすると今すぐ対象ページへ移動します。

概要:
中欧における日本電気機械企業の現地調達165第3 節では,在西欧日本電気機械企業の調達と比較することにより,在中欧日本電気機械企業の現地調達の特徴を再検討し,その将来展望に関する考察を行った。前節で述べた....

中欧における日本電気機械企業の現地調達165第3 節では,在西欧日本電気機械企業の調達と比較することにより,在中欧日本電気機械企業の現地調達の特徴を再検討し,その将来展望に関する考察を行った。前節で述べた中欧における現地調達に関する3 つの問題は,西欧調査でも同様に回答されているが,「現地サプライヤーの不在」「現地サプライヤーの技術の低さ」に関しては中欧の問題がより深刻だと思われ,「現地サプライヤーの経営の考え方」に関しては西欧と中欧で同様に問題となっていることが考察された。そして日本企業が,西欧における現地調達の問題を改善するために,長い年月をかけて現地サプライヤーに対する支援や指導を実施して現段階に到達したように,中欧でも将来的には現地サプライヤーとの間により高度な企業間関係が築かれる可能性があるという考察がなされた。 【注】(1) 本節で検討したジェトロとJMNESG 以外で,中欧における日本企業の調達活動について言及している調査・研究としては,機械振興協会経済研究所(2005)〔p. 47,pp. 52-53,pp. 56-57,p. 60,p. 64〕,中部産業活性化センター(2004)〔p. 55,pp. 57-59,p71,pp. 87-88〕,日本貿易振興機構(2005)〔p. 47〕,日経BP 社(2002)〔p. 160〕,日本貿易振興機構海外調査部欧州課(2003)〔pp. 115-131〕,日本貿易振興機構海外調査部欧州課(2005)〔p. 3,p. 7〕,日本貿易振興機構ブリュッセル・センター(2005)〔p. 14,p. 23〕,などがある。(2) ジェトロ調査における「中東欧」に含まれる地域は以下の通り。1997年度は,ポーランド,チェコ,スロバキア,ハンガリー。1998年度からルーマニア追加。2001年度からリトアニア追加。2003年度からセルビア・モンテネグロ,ボスニア・ヘルツェゴビナ追加。2004年度からボスニア・ヘルツェゴビナ削除。2005年度からブルガリア追加。2006年度からスロベニア追加。またセルビア・モンテネグロを2カ国に分離。なお,2007年度は調査が行われていない。(3) 正確には,1998~2001年度の調達率調査では,「現地(進出国)」調達率調査の他に,1998~1999年度調査で「進出国が属する地域経済圏(進出国分除く)」「その他」,2000年度調査で「CEFTA(進出国分を除く)」「それ以外」,2001年度調査で「ユーロ圏」「ユーロ圏以外のEU」「その他」の地域からの調達率についての調査も行われている。ただし,2001年度以前の調査では,回答項目の調達率分類が粗いこと,また回答企業数も少ないことから,本稿では,これらの調達率調査に関しては検討していない。(4) ジェトロの調査報告書では,アンケート設問の原文が示されていないので,「調達先」が「調達実績がある先」を意味するのか「主要な調達先」を意味するのか